2008 Fiscal Year Annual Research Report
慢性骨髄性白血病における分子標的治療後の残存腫瘍の高感度定量法と治療法の開発
Project/Area Number |
20591120
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安部 明弘 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 特任講師 (00432261)
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Keywords | 慢性骨髄性白血病 / イマチニブ / 白血病幹細胞 / 造血幹細胞 / 造血前駆細胞 |
Research Abstract |
イマチニブ治療後の慢性骨髄性白血病患者における造血幹細胞分画での残存腫瘍について、これまでの研究結果を発表した(Int J Hematol. 8: 471-475, 2008)。この論文では解析した症例数は少ないが、残存白血病細胞は幹細胞分画に残る傾向があるものの、イマチニブを継続することによりある程度は減少することが推定された。これをさらに詳細に調べるため、前方視的な観察研究のプロトコールを作製し、名古屋大学医学部倫理委員会で承認を得た。名古屋大学の関連病院への説明会を行い研究参加施設においては各病院の倫理委員会で承認を得た上で検体を集積している。平成21年2月末の時点で,12例の初診症例の登録を得ており、治療前、治療後3カ月、6カ月、12カ月の骨髄検体から、造血幹細胞(Thy-1+のlong term HSCとThy-1-の2分画)・前駆細胞(CMP:骨髄球系共通前駆細胞,GMP:顆粒球単球系前駆細胞,MEP:巨核球赤芽球系前駆細胞の3分画)の5分画を分離し、リアルタイムPCRによる残存腫瘍の定量を行い、幹細胞における残存白血病細胞の解析を継続中である。一方,イマチニブ長期投与症例は、これまでに15例の登録が有り、ほとんどの症例で分子遺伝学的寛解を得た後も幹細胞に白血病細胞が残存することを観察している。また、一部の症例では、FISHによる幹細胞での残存腫瘍も平行して解析し、リアルタイムPCRの方がより高感度に残存腫瘍をモニターできることを確認した。
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Research Products
(21 results)