2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄腫細胞における恒常的NF-kB活性を抑制するPPARの作用機序の解明
Project/Area Number |
20591129
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
大津山 賢一郎 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 助教 (10432741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 道生 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40161343)
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Keywords | NF-kB / PPAR / 多発性骨髄腫 / CD54 |
Research Abstract |
PPARとりわけPPARbによる抗NF-kB活性の作用機序の解明を目的としている。抗NF-kB活性を示す薬剤は多く存在する。その多くが、NF-kBの上流にあるIkBのリン酸化抑制や更に上流にあるIKKファミリーのリン酸化抑制によるものである。PPARは核内ホルモンレセプターであり、生体内分子をリガンドとして活性化する。活性化したPPARはNF-kBに直接作用することで、抗NF-kB活性を示すことができる。これが、NF-kB活性に対するPPARに着目する点である。患者骨髄腫細胞およびヒト骨髄腫細胞株における恒常的NF-kB活性の生物学的意義は、いまだ不明な点が多い。そこで、ヒト骨髄腫細胞株における恒常的NF-kB活性を調べることとした。ヒト骨髄腫細胞株の核分画にはすべてのNF-kBファミリー(RelA/p65、c-Rel、RelB、NF-kB1(p105/p50)、NF-kB2(p100/p52))が存在していた。また、NF-kBコンセンサスオリゴを用いたEMSAでNF-kB-DNA結合能を示した。抗NF-kB抗体を用いたsupershift解析ではIL-6非依存性骨髄腫細胞株ではp50、p52およびRelBに活性が見られ、IL-6依存背骨髄腫細胞株ではp65にもその活性が見られた。マイクロアレイ解析によるNF-kB標的遺伝子ブロファイリングではヒト骨髄腫細胞株でNF-KB標的遺伝子335種を抽出した。その内IL-6依存性及び非依存性骨髄腫細胞株間で、NF-κB標的遺伝子NF-κB標的遺伝子は抗アポトーシス関連遺伝子(XIAP、cIAP1など)17種、サイトカイン(IL-8,TNFαなど)やケモカイン(CCL5,CXCL9など)52種などで発現の有無に有意差はみられなかった。PPARbアゴニストであるcrbacyclin刺激においてU266においてPPARbとRelA/p65の相互作用を確認した。その他のNF-kBファミリーとの相互作用は現在確認中である。
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Research Products
(3 results)