2008 Fiscal Year Annual Research Report
白血病幹細胞に特異的に発現するmiRNA/転写因子の同定とその機能解析
Project/Area Number |
20591134
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹中 克斗 Kyushu University, 大学病院, 助教 (30301295)
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Keywords | 造血幹細胞 / 白血病幹細胞 / 遺伝子プロファイル / miRNA / 転写因子 |
Research Abstract |
本研究課題では、白血病幹細胞の維持・制御に必須な転写因子を同定し、新たな分子標的療法の標的と成りうるか基礎的検討を行うことを目的とし、平成20年度では、まず、マイクロアレイを用いた解析で同定された正常造血幹細胞に高発現する遺伝子群について、急性骨髄性白血病検体より分離した幹細胞分画における発現を定量的PCRにて解析し、この解析により正常および白血病幹細胞分画に共通に高発現するmiRNA/転写因子を見出した。FLT3を含むいくつかの転写因子や複数のmicroRNAが標的分子の候補として抽出された。次に、これらのmiRNA/転写因子が実際にどのように幹細胞機能に寄与しているかを解析するために、これらの分子を幹細胞に強制発現あるいはノックダウンさせるための遺伝子組換えレンチウイルスベクターを作製した。microRNA126他いくつかの標的分子について、翻訳部全体をPCRで増幅し、クローニングベクターに組み込んで、ベクターを増幅後、シークエンスによって、cDNAの塩基配列を確認した。クローニングベクターよりcDNAを制限酵素で切断し、レンチウイルスベクターのクローニングサイトに組み込んだ。作製されたレンチウイルスベクターの発現効率は、293T細胞などの細胞株を用いた実験で、導入遺伝子の発現をフローサイトメトリーを用いたGFPの発現や、PCRおよびウェスタンブロットにて確認した。RNAiレンチウイルスベクターも同時に作製しており、細胞株を用いた予備実験にて、遺伝子発現の抑制効果を確認している。次年度では、これらのウイルスベクターを用いて、正常・白血病幹細胞へ遺伝子導入を行い、その機能変化をin vitroおよびin vivoにて検討する予定である。
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