2008 Fiscal Year Annual Research Report
白血病に対するデコイペプチドを用いた新規分子標的療法の開発に関する研究
Project/Area Number |
20591140
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
牧 和宏 Dokkyo Medical University, 医学部, 講師 (50337391)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 絹子 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50251244)
山形 哲也 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (30424047)
佐々木 光 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60282638)
|
Keywords | 白血病関連キメラ遺伝子 / ペプチド / HDACi / RUNX1 |
Research Abstract |
【背景】白血病関連キメラ遺伝子RUNX1/EVI1は種々の造腫瘍活性を有するが、これらの機能の多くはヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を介するものであることが明らかになっている。 【方法】レトロウイルスを用いて、RUNX1/EVI1遺伝子を導入したマウス骨髄細胞を作製。この細胞を用いて、RUNX1/EVI1の有する造腫瘍活性に対するHDAC阻害薬(HDACi)の影響を解析した。【結果】(1)造血コロニーアッセイにおいて、RUNX1/EVI1導入マウス骨髄細胞は、Mock細胞と比しより大きなコロニーを形成した。コロニーの継代培養にて、Mock細胞は早期にコロニー形成能を失うのに対し、RUNX1/EVI1発現細胞は長期に渡ってコロニー形成能を維持していた。またIL-3, IL-6, SCF添加の液体培養を行い、day7における細胞形態を比較した。その結果、Mock細胞は環状核をを有する成熟好中球に終末分化を示すのに対し、RUNXl/EVI1発現細胞では成熟傾向の乏しい比較的幼弱な細胞が多く認められた。(2)HDACiとしてTrichostatin A (TSA)およびバルプロン酸(VPA)を用いて、上記のRUNX1/EVI1導入マウス骨髄細胞の表現型に対するHDACiの影響を検討した。培養液へのTSAおよびVPAいずれの添加においても、Mock細胞ではコロニー形成にはほとんど影響が認められなかったが、RUNX1/EVI1発現細胞ではコロニー形成の著しい障害が認められた。また、液体培養においてもHDACi処理によりRUNX1/EVI1発現細胞の骨髄球系分化の回復が認められた。【考察】HDACiはRUNX1/EVI1の造腫瘍活性をin vivoで抑制することが示された。
|