2009 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリック症候群にともなう血栓症発症の分子病態の解明とその制御
Project/Area Number |
20591148
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 晃士 Nagoya University, 医学部附属病院, 講師 (90362251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 哲人 名古屋大学, 医学部, 教授 (40161913)
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Keywords | 血栓症 / 高血圧 / 肥満 / 糖尿病 / ストレス / 脂肪細胞 / サイトカイン / 線溶 |
Research Abstract |
メタボリック症候群患者における血栓症は心因性ストレスを引き金として発症する場合が多いとされる。そこでメタボリック症候群のモデルマウスに心因性ストレス(拘束ストレス)を負荷し、その後の線溶阻害因子PAI-1の発現動態について解析を行った。8週齢のオスの遺伝的肥満マウス(ob/obマウス)をplastic tube内に一定時間(2~20時間)閉じ込めた(飲水のみ可)後、血漿と組織を採取した。そして血漿中のPAI-1抗原量を測定するとともに、組織からRNAを抽出してreal time RT-PCR法によりPAI-1 mRNAを定量した。比較的軽度の心因性ストレスと考えられる2時間の拘束ストレス負荷により、ob/obマウスの血中PAI-1抗原量は著明に増加し、対照マウスと比較して有意な差を認めた。また組織におけるPAI-1 mRNA発現量についても、2時間の拘束ストレス負荷後のob/obマウスでは特に脂肪組織におけるPAI-1発現亢進が顕著であった。ob/obマウスにおけるこのようなPAI-1発現亢進は、20時間の拘束ストレス負荷後においても認められた。一方、in situ hybridization法にてPAI-1遺伝子発現の組織内局在について検討してみると、拘束ストレス負荷後のob/obマウス脂肪組織におけるPAI-1 mRNAの発現は血管平滑筋細胞や血管内皮細胞において亢進していたが、特に大型化した脂肪細胞自体におけるPAI-1発現が顕著に増強していた。以上の結果より、メタボリック症候群のモデルマウスでは、心因性ストレスによって高度なPAI-1発理亢進が招来され、これがストレス起因性血栓症の発症につながっている可能性があると考えられた。また、このPAI-1発現亢進の主体が脂肪組織であることにも注目したい。
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Research Products
(3 results)