2008 Fiscal Year Annual Research Report
臍帯血移植の生着・拒絶に関与する移植片中および患者末梢血中CD8陽性T細胞の解析
Project/Area Number |
20591149
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
村田 誠 Nagoya University, 医学部附属病院, 助教 (40378063)
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Keywords | 臍帯血移植 / 移植片対宿主病 / 生着 / 拒絶 / T細胞 / HLA / CD4 / CD8 |
Research Abstract |
本研究の目的は、臍帯血移植における拒絶などの同種免疫応答に関与する移植片中および患者末梢血中のT細胞の解析である。今年度の研究結果の要旨を以下にまとめる。骨髄移植後患者4名、臍帯血移植後患者6名から、移植後1、2、3、6、12ヶ月目に末梢血を採取し、全リンパ球、naive/central memory/effector memoryに細分化したCD4陽性細胞およびCD8陽性細胞、CD4陽性制御性T細胞、B細胞、NK細胞の各細胞数を経時的に測定した。それぞれの臨床経過との相関を検討したところ、1)全リンパ球、T細胞、B細胞、NK細胞は臍帯血移植後の方がやや回復が早く、これまでの報告と一致すること、2)naive CD4陽性細胞の回復は骨髄移植では6ヶ月以降と報告されているが、臍帯血移植後ではそれよりやや早いこと、3)naive CD8陽性細胞の回復速度は骨髄移植と同程度であること、4)CD4制御性T細胞は一貫して骨髄移植よりやや少ないこと、などが明らかになった。但し、骨髄移植例では移植後にステロイドの投与を受けた症例が多く含まれており、今後さらに症例を蓄積した上で再度解析を行う必要があると考えている。また、臍帯血移植を受けた患者の末梢血からT細胞クローンの分離にも成功した。今後、分離したそれぞれのクローンについて、フローサイトメトリーによる表面マーカーの評価、T細胞受容体可変領域の塩基配列を決定することによるクロナリティーの確認、それぞれの標的抗原の同定などを進めていく予定である。
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Research Products
(16 results)