2010 Fiscal Year Annual Research Report
インテグリン結合タンパクを介したインテグリン機能制御機構の解明と新規治療薬の開発
Project/Area Number |
20591152
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田所 誠司 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80403062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨山 佳昭 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (80252667)
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
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Keywords | インテグリン / シグナル伝達 / α-actinin / 血小板 |
Research Abstract |
インテグリン機能に関与する疾患の治療に展開するため、前年度に引き続きその標的となりうる分子の解析を行った。ヒト血小板において、生理的アゴニストによるインテグリンαIIbβ3の活性化、インテグリン結合蛋白α-actininの挙動、顆粒の放出、細胞内Caイオン濃度を経時的に評価した。ヒト血小板でのαIIbβ3の活性化様式とα-actininの局在、リン酸化の挙動との連関は、トロンビンのみならず、ADPやトロンボキサンなど生理的アゴニストの受容体からのシグナルに共通の現象として観察された。次に、ヒト巨核球系細胞株のCMK細胞を用いてα-actininの発現量を変化させ、αIIbβ3の活性化を検討した。野生型α-actininを過剰発現した細胞では、αIlbβ3の活性化が抑制された。一方、shRNAで内因性のα-actininをknockdownした細胞では、未刺激の状態でPAC-1の結合が優位に増加した。さらに、PAR1, PAR4の刺激下においても、コントロールと比べてPAC-1の結合が優位に増加した。これらのPAC-1の結合の増加は、野生型α-actininを過剰発現すると抑制されたが、リン酸化変異型α-actininを過剰発現しても抑制されなかった。以上、α-actininはインテグリンαIIbβ3の活性化のinside-outシグナルに関与して、αIIbβ3の非活性化状態を安定化させる分子の一つであることが示唆された。この研究結果は平成20年度、21年度の研究成果と合わせて、学術雑誌Bloodに発表した(Tadokoro S, et al.A potential role for α-actinin in inside-out αIIbβ3 signaling.Blood.2011 Jan 6 ; 117(1) : 250-258.)。
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Research Products
(8 results)