2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトおよびマウスにおける造血幹細胞と間葉系幹細胞間のMHC拘束性の解析
Project/Area Number |
20591159
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
比舎 弘子 Kansai Medical University, 医学部, 講師 (90151422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 宗夫 関西医科大学, 医学部, 准教授 (70115947)
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Keywords | 造血幹細胞 / 間葉系幹細胞 / MHC class I分子 / 臍帯血 / 羊膜 / MHC拘束性 |
Research Abstract |
我々は、臍帯血由来造血幹細胞(CD34陽性CD45弱陽性)を同一胎児の羊膜由来付着性細胞(Am-Ad Cells、間葉系幹細胞の性質を有する)上で培養すると、他の胎児由来のAm-Ad Cells上で培養したのと比べ、短期および10週以上の長期培養両方において造血幹細胞の増殖率が有意に高いこと、つまり、ヒトにおいても造血幹細胞と間葉系幹細胞の間にMHC拘束性が存在することを見出した。今回、その機序等について詳しく解析した。 1. 同一胎児由来(MHC一致)の造血幹細胞とAm-Ad Cellsの共培養系では、細胞数の増加のみならず、造血コロニー形成細胞数やCD34/c-kit陽性細胞、CD34/CD133陽性細胞の割合が不一致の共培養系と比べ有意に高いことが明らかになった。 2. 共培養系より得られた培養上清中のサイトカイン濃度を測定したところ、GM-CSF(顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子)の濃度が、MHC一致の共培養系において不一致のよりも有意に高かった。GM-CSFの産生亢進がMHC拘束性誘導の一因であると推察できる。なお、GM-CSFは、Am-Ad Cellsから産生されていた。 3. MHC class I分子と結合することが知られている既知の分子(PIR-A/B、LILR/CD85等)が、マウスやヒトの間葉系幹細胞および造血幹細胞に発現しているかをフローサイトメトリーにて解析したが、検出されなかった。従って、未知のMHC class I結合分子が間葉系幹細胞や造血幹細胞上に存在し機能している可能性が示唆された。
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Research Products
(8 results)