2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトおよびマウスにおける造血幹細胞と間葉系幹細胞間のMHC拘束性の解析
Project/Area Number |
20591159
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
比舎 弘子 関西医科大学, 医学部, 講師 (90151422)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 宗夫 関西医科大学, 医学部, 准教授 (70115947)
|
Keywords | 造血幹細胞 / 間葉系幹細胞 / MHC class I分子 / MHC拘束性 / 自己免疫疾患モデルマウス / 接着分子 |
Research Abstract |
自己免疫疾患モデルマウスおける造血幹細胞と間葉系幹細胞間のMHC拘束性の解析 自己免疫疾患マウスの造血幹細胞(HSC)は、発症前はMHC拘束性を示すが、発症後、MHC不一致の間葉系幹細胞やレシピエントマウスにおいても遜色なく増殖分化するようになる。MHC拘束性を受けない異常なHSCが発症後出現すると考えられるが、その性状を詳しく解析した。種々の細胞表面分子の発現を発症前後のHSCで比較検討したところ、MHC class I分子と、接着分子であるCD56の発現上昇が判明した。発症後血中のIFNγ濃度の上昇が見られることから、MHC class I分子発現上昇は、IFNγの影響を反映している可能性が考えられる(IFNγにはCD56の発現上昇作用はない)。また、我々のこれまでの研究により、HSC上のCD56が間葉系幹細胞上のCD56と結合することにより、増殖分化が亢進することが明らかになっている。すなわち、異常なHSCとは、HSC上のCD56の発現量の増加によりMHC不一致の環境下でも増殖能力を獲得した細胞である可能性が推察できた。 MHC拘束性の証明実験とMHC class I結合分子の検出 MHC拘束性を分子生物学的に証明するため、マウスMHC class Iを強制発現したヒト線維芽細胞が、同一MHC class Iを有するマウスHSCの増殖支持能を獲得するかについて解析した。H-2K^d遺伝子をRT-PCRにて増幅し、発現ベクターに組み込み、ヒトの肺線維芽細胞株であるMRC-9にtransfectした。種々の方法を試みたが、FACS解析にて細胞表面への発現を確認できず、その後の実験に供することができなかった。また、MIC class I分子結合カラムに同一MHC class Iを有する間葉系幹細胞株溶出画分を流し、間葉系幹細胞上に存在するMHC class I結合分子の分離を試みたが、単離には至っていない。
|
Research Products
(6 results)