2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591161
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Research Institution | Clinical research Center, Nagoya National Hospital. |
Principal Investigator |
國島 伸治 Clinical research Center, Nagoya National Hospital., 高度診断研究部, 室長 (60373495)
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Keywords | May-Hegglin anomaly / MYH9異常症 / NMMHC-IIA / 先天性血小板減少症 |
Research Abstract |
【目的】我々は、May-Hegglin異常に代表される白血球封入体を伴う巨大血小板性血小板減少症の原因遺伝子MYH9を同定し、MYH9異常が引き起こす一連の疾患群としてMYH9異常症を提唱した。本疾患群に特徴的な白血球封入体は、ドミナントネガティブ効果によるNMMHC-IIA蛋白の異常集積が原因であると考えられているが、封入体が認められない血小板ではハプロ不全が示唆されている。本年度では、異常NMMHC-IIAのみを特異的に認識する抗体を用い、強制発現細胞における異常NMMHC-IIAの発現とその局在を解析した。【方法】野生型および5818delG変異を有するMYH9発現ベクターを作成し、MYH9を発現するCHO細胞およびMYH9を発現しないCOS-7細胞を用いた強制発現実験を行った。MYH9 5818delG変異により新たに生じるC末端側の6アミノ酸配列(MAPTKR)に対するNT629抗体を作成し、市販の抗NMMHC-IIA抗体と共に二重免疫蛍光染色を行ない、NMMHC-IIA局在を評価した。【結果】CHO細胞に野生型MYH9発現ベクターを導入すると、細胞質全体にびまん性NMMHC-IIAが染色された。5818delG発現ベクターを導入すると、ヒトMYH9異常症白血球に見られる封入体に類似した異常NMMHC-IIA凝集が観察された。内因性MYH9発現の無いCOS-7細胞にMYH9導入すると、5818delG変異導入細胞ではNMMHC-IIAの凝集が観察された。【結論】培養細胞を用いた発現実験で、異常NMMHC-IIA凝集が観察された。今後、血液細胞株での発現実験系を確立し、血液細胞別に存在する異常NMMHC-IIA発現機序を明らかにする予定である。
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