2008 Fiscal Year Annual Research Report
フラクタルカイン阻害による血管炎症候群に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
20591166
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
南木 敏宏 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (00282749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 信之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30157622)
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Keywords | 血管炎症候群 / フラクタルカイン / CX3CR1 / ケモカイン |
Research Abstract |
マウスにCandida albicans water-soluble fraction(CAWS)を投与することにより、血清中に抗好中球細胞質ミエロペルオキシターゼ抗体(MPO-ANCA)が出現し、冠動脈の血管炎が発症することが報告され、ANCA関連血管炎のモデル動物と考えられている。Balb/cマウスに、CAWSを5日間連続で腹腔内投与し、day28に心臓、肺、腎臓を摘出してHE染色などにより病理組織像を解析した。CAWSの投与により冠動脈周囲に著明な炎症細胞浸潤がみられ、血管炎の発症が認められた。しかしながら、肺、腎臓には血管炎を疑う所見は認められなかった。次に、フラクタルカイン欠損マウス、およびワイルドタイプマウスにCAWSを投与し、冠動脈の血管炎の程度をスコア化して比較した。フラクタルカイン欠損マウス、ワイルドタイプマウスともに、冠動脈に血管炎が発症したが、血管炎の程度はフラクタルカイン欠損マウスで軽度である傾向が認められた(血管炎スコアが低値であった)。今後、マウスのn数を増やし、フラクタルカイン欠損による変化(血管炎の程度、浸潤炎症細胞の変化など)をより詳細に検討していく。浸潤している炎症細胞の種類などの解析も行い、炎症部位でのフラクタルカイン、その受容体であるCX3CR1の発現も解析し、フラクタルカイン/CX3CR1相互作用の血管炎における役割を検討する。また、各種血管炎患者の病変部位におけるフラクタルカイン、CX3CR1の発現も解析していく。
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