2009 Fiscal Year Annual Research Report
フラクタルカイン阻害による血管炎症候群に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
20591166
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
南木 敏宏 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (00282749)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 信之 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 教授 (30157622)
|
Keywords | 血管炎症候群 / フラクタルカイン / CX3CR1 / ケモカイン |
Research Abstract |
Candida albicans water-soluble fraction(CAWS)をマウスに投与することにより、血清中に抗好中球細胞質ミエロペルオキシターゼ抗体(MPO-ANCA)が出現し、冠動脈起始部に血管炎が発症する。ANCA関連血管炎のモデル動物として用いることができる。Balb/cマウスに、CAWSを5日間腹腔内投与し、28日後に心臓を摘出してHE染色により病理組織像を解析した。CAWSの投与により冠動脈周囲に著明な炎症細胞浸潤がみられ、血管炎の発症が認められた。次に、フラクタルカイン欠損マウス、およびワイルドタイプマウスにCAWSを投与し、冠動脈の血管炎の程度をスコア化して比較した。フラクタルカイン欠損マウス、ワイルドタイプマウスともに、冠動脈に血管炎が発症したが、血管炎の程度はフラクタルカイン欠損マウスで軽度である傾向が認められた。今後、マウスのn数を増やし、統計学的にも詳細に検討する。また炎症部位におけるフラクタルカイン、およびその受容体(CX3CR1)の発現を免疫染色にて解析を進める。 各種血管炎患者(結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、Wegener肉芽腫症、高安動脈炎、Churg-Strauss症候群)の血清中、尿中のフラクタルカイン濃度を測定し、病勢との関連を検討するため、検体収集の手配をし、サンプルを集め始めた。また、病理組織を用いて、病変部位におけるフラクタルカイン、CX3CR1の発現も解析していく。
|