2008 Fiscal Year Annual Research Report
膜型TNFの機能解析と自己免疫疾患の病態解明ならびに治療への応用
Project/Area Number |
20591172
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堀内 孝彦 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 准教授 (90219212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田平 知子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (50155230)
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Keywords | TNF / ADCC / CDC / 内向きシグナル |
Research Abstract |
従来TNF-αの作用としては、可溶型が重要であると考えられてきたが、近年その前駆体である膜型TNF-αの作用が注目されている。我々は膜型TNF-αがT-B細胞間の細胞接着による免疫応答に重要な分子であることを初めて明らかにしてきた。すなわち活性化T細胞上の膜型TNF-αはi)B細胞に接着して抗体産生を誘導し、ii)膜型TNF-αが刺激を受けることによりT細胞自身がある種の接着分子やサイトカインの産生を誘導する。本研究の目的は、膜型TNF-αとその受容体(TNF-α受容体)の二つの分子に着目して、それぞれについて機能解析、シグナル伝達機構を明らかにすることにある。平成20年度は抗TNF製剤の3製剤について、膜型TNF産生細胞に対するADCC,CDC,そして我々が見出した新しい機能である内向きシグナルについて、head-to-headで比較、検討した。その結果、インフリキシマブ、アダリムマブの抗体製剤は、融合タンパクであるエタネルセプトに比較して強力に膜型TNF産生細胞を抑制することが明らかになった。すなわち、インフリキシマブ、アダリムマブでは、ADCC,CDC,内向きシグナルの3つの経路のすべてを介して抑制するが、エタネルセプトはADCC活性のみ示した。
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