2009 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチの多様な病態はCaMKIIδの機能異常でどこまで説明可能か?
Project/Area Number |
20591173
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
川上 純 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90325639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井田 弘明 長崎大学, 病院, 講師 (60363496)
阿比留 教生 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00380981)
玉井 慎美 長崎大学, 保健・医療推進センター, 助教 (60380862)
川尻 真也 長崎大学, 病院, 医員 (20457576)
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Keywords | 関節リウマチ / 滑膜線維芽細胞(FLS) / PADI2 / PADI4 / 蛋白シトルリン化 / Treg / 抗CCP抗体 / 骨髄浮腫 / CaMKII |
Research Abstract |
前年に引き続いてシトルリン化責任酵素のPADI2とPADI4に注目した。滑膜線維芽細胞での直接的なシトルリン化蛋白発現の評価は困難であり、PADI2およびPADI4 cDNAの遺伝子導入細胞株の確立に着手した。いずれの遺伝子導入もtransientな系では遺伝子導入可能であることは確認した。今後はstableな系を確立し、この細胞株を用いてPADI2、PADI4、蛋白シトルリン化、CaMKIIアイソフォーム発現および活性化の評価を行いたい。ヒトサンプルでは抗リウマチ治療経過でのTregサブセットおよび抗CCP抗体値の推移を検討した。TregサブセットはCD4+CD25+CD127-/low細胞に着目したが、これはこの細胞群には非常に強いFoxp-3発現を認めたからである。健常人コントロールと比較して活動性関節リウマチ(RA)末梢血のCD4+CD25+CD127-/low細胞陽性率は有意に低値で臨床的寛解達成RA群は健常人と有意差はなかった。CRP、ESR、DAS28-ESRなどRA疾患活動性の指標はCD4+CD25+CD127-/low細胞陽性率と逆相関を示し、これら細胞サブセットとRA病態との関連性が強く示唆された。抗CCP抗体価の推移を検討すると、抗体値が高値の症例ではRA画像的重症度の指標である骨髄浮腫の出現頻度が高かった。これらよりin vivoにおいてもT細胞サブセットおよび抗CCP抗体は疾患活動性と相関してダイナミックに変動すると考えられる。今後はこれらin vivoデータにもCaMKIIアイソフォーム発現を追加し、in vitro、in vivoの両面から、蛋白シトルリン化、CaMKIIアイソフォーム活性化とRA病態の関連性を解析する。
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