2009 Fiscal Year Annual Research Report
リウマチ・炎症性疾患におけるヘムオキシゲナーゼー1の発現制御と治療応用
Project/Area Number |
20591174
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
岳野 光洋 Yokohama City University, 医学部, 准教授 (50236494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 敦久 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (60295483)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ-1 / スティル病 / 血球貪食症候群 / Nrf2 / Bach1 / 白血病 / 肺癌 |
Research Abstract |
私たちは先にスティル病活動期における血清HO-1値の上昇とその疾患バイオマーカーとしての可能性を報告したが、今年度は血球貪食症候群患者でも血清HO-1値が異常高値をとることを見出した(Int Hematol, 2010)。両疾患とも高フェリチン血症を伴うマクロファージ異常活性という共通点があり、HO-1異常発現の機序解明が病態の解明につながる可能性が高い。単球系細胞のHO-1発現をすると、健常者末梢血単球、患者由来白血病細胞が恒常的にHO-1を発現しているのに対し、株化白血病細胞(U937、 THP-1、 K562など)での発現はごく微量である。さらに、LPS刺激により健常者末梢血単球のHO-1発現は低下するのに対し、株化白血病細胞で逆に増強する。しかし、PMA処理により株化白血病細胞はHO-1を強発現するが、PMA前処理株化細胞では健常者単球と同様にそのHO-1発現はLPS刺激により低下する。このHO-1発現制御過程には、レプレッサーのBach1が重要な役割を果たしており、核内でのプロモーNrf2との比率がHO-1発現の制御を毛艇していることを明らかにし(Cancer Res, 2010)、今後、スティル病や血球貪食症候群患者でもBach 1調節機構を検討する必要がある。さらに、白血病細胞へのBach 1 siRNA導入によるHO-1発現誘導は細胞生存を促し、この経路が癌細胞生存維持機構に関与し、治療標的となりうることを示した(Cancer Res, 2010)。また、私たちは肺癌でもシスプラチン耐性機序にはHO-1高発現が関与していること、この発現異常はEGF-TK阻害により抑制をうけること(Lung Cancer, 2009)を報告した。以上のように、本研究はリウマチ性疾患におけるHO-1の役割を解析することを目的としているが、副産物として腫瘍を含めた広い分野で成果を上げている。
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Research Products
(28 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
岳野光洋
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Journal Title
看護のための最新医学講座第11巻免疫・アレルギー疾患(山本一彦編)(中山書店、東京)
Pages: 204-211
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[Journal Article]2009
Author(s)
岳野光洋, 片山一朗
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Journal Title
year note 2010(岡庭豊編)(メディックメディア、東京)
Pages: F-2-F-82
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[Journal Article]2009
Author(s)
岳野光洋
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Journal Title
『病気がみえるvol.6免疫・膠原病・感染症』(第1版)(メディックメディア、東京)
Pages: 46-51 72-97
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