2010 Fiscal Year Annual Research Report
リウマチ・炎症性疾患におけるヘムオキシゲナーゼ-1の発現制御と治療応用
Project/Area Number |
20591174
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
岳野 光洋 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (50236494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 敦久 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (60295483)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ-1 / 成人スティル病 / 血球貧食症候群 / ベーチェット病 / IL-10 / Bach1 / 破骨細胞分化 / 癌 |
Research Abstract |
本年度の成果は以下に要約される。 (1)血清HO-1値は成人スティル病とともに血球貧食症候群の活動期にも高値を示しこれらの疾患バイオマーカーとなる可能性を見出した(Int Hematol, 2010)。 (2)GWASを用いてベーチェット病の遺伝素因を解析し、HLA-B51、A26に加え、IL10、IL23R-IL12RBが感受性遺伝子として同定した(Nat Genet, 2010)。特にIL-10のベーチェット病リスクアレルはIL-10のlow producerを規定し、このことが炎症の増幅に関与すると考えられた。IL-10はHO-1発現誘導能を有していることから、研究代表者らが先に報告した活動期における白血球HO-1発現低下にも関与している可能性がある。 (3)白血病細胞のHO-1発現はプロモーNrf2とレプレッサーBach1のバランスにより規定され、Bach1ノックダウンによりHO-1発現を誘導すると細胞生存が延長したことから、この経路が癌細胞生存維持機構に関与し、治療標的となることを示した(Cancer Res, 2010)。 (4)肺癌でもシスプラチン耐性機序にはHO-1高発現が関与していること、この発現異常はEGF-TK阻害により抑制をうけること見出した(Lung Cancer, 2009)。 (5)Bach1欠損マウスを用いて、単球系細胞から破骨細胞への分化過程ではHO-1発現低下が必須であることを見出した(投稿中)。 以上のように、本研究はリウマチ性疾患におけるHO-1の役割を解析することを目的としたが、副産物として骨代謝、腫瘍を含めた広い分野でも成果を上げることができた。
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Research Products
(29 results)