2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591175
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
廣畑 俊成 Kitasato University, 医学部, 教授 (90189895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 平仁 北里大学, 医学部, 准教授 (20213598)
松井 俊通 北里大学, 医学部, 助教 (20348519)
橋本 篤 北里大学, 医学部, 助教 (50327376)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / 中枢神経病変 / ループス精神病 / 脳脊髄液 / 自己抗体 / グルタミン酸レセプター / 神経細胞 / プロテオミクス |
Research Abstract |
本年度はまずループス精神病における抗グルタミン酸レセプター(NR2)抗体の役割について、グルタミン酸レセプターの主要抗原決定基の合成ペプチド(DWEYSVWLSN)をヒト血清アルブミンに結合したものを抗原とするELISA法にて検討した。この検討に用いた抗原でアフィニテイー精製した抗体はヒト神経芽細胞腫細胞SKNMCと反応したことから、抗神経細胞抗体であることが確認された。 ELISAを行った結果、ループス精神病患者38例においては髄液中抗NR2抗体が、非SLEの対照群患者20例および局所神経症状のみを示すFocal型神経症状を示すSLE患者18例と比較して、有意に上昇していた。しかし血清中の抗NR2抗体はこれら3群の間では有意差がなかった。以上の結果より、ループス精神病においては、髄液中の抗NR2抗体の上昇が病態に深く関与するものと考えられた。次に、患者の血清よりアフィニテイー精製した抗NR2抗体と抗リボソームP抗体がSKNMCに対していかなる影響を及ぼすかについて検討した。しかし、検討した範囲では、このいずれの抗体もSKNMCの増殖には有意な影響を及ぼさなかった。抗NR2抗体はマウスの脳の神経細胞にアポトーシスを誘導することが知られている。今後、神経細胞の種類を変更して検討してゆく必要がある。最後に、抗神経細胞抗体の新たなエピトープを解明する手始めとして、パラフォルムアルデヒドで固定したSKNMCを用いて抗神経細胞抗体を精製した。この精製した抗神経細胞抗体は一次元のウェスタンブロットにおいてSKNMC由来のいくつかの蛋白と反応することが確認されている。今後、この抗体をプローブとしてプロテオミクスの手法を用いた解析を行って行く予定である。
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Research Products
(27 results)