2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591175
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
廣畑 俊成 Kitasato University, 医学部, 教授 (90189895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 立夫 北里大学, 医学部, 助教 (60365947)
松井 俊通 北里大学, 医学部, 助教 (20348519)
橋本 篤 北里大学, 医学部, 助教 (50327376)
和田 達彦 北里大学, 医学部, 助教 (60383585)
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Keywords | 中枢神経ループス / ループス精神病 / 神経芽細胞腫細胞 / 抗神経細胞抗体 / エピトープ / プロテオミクス / ミトコンドリア酵素タンパク質 / 核酸結合タンパク質 |
Research Abstract |
本年度はループス精神病を含む中枢神経ループスの病態形成に重要な役割を果たすと考えられる抗神経細胞抗体がいかなるエピトープを認識するかについてプロテオミクスの手段を用いて検討を行った。具体的には、ヒト神経芽細胞腫SK-N-MC細胞から抽出したタンパク質を2次元電気泳動し、複数の中枢神経ループス患者血清を混合したものを使用してウェスタンブロットを行い、中枢神経症状のないSLE患者血清と反応を比較検討した。その結果、健常人血清でも反応を示したスポットを除いて全体で数十個の自己抗原スポットを検出した。中枢神経ループス群のみでみられるスポット、両群ともに認められるスポット、中枢神経症状のないSLE群のみで認められるスポットなど多様であった。これらのスポットからタンパク質を抽出し質量分析を行った結果、中枢神経ループスのみで認められたスポットとしては、ミトコンドリア酵素タンパク質や核酸結合タンパク質などが同定された。これらのタンパク質は抗神経細胞抗体の対応抗原の候補であり、現在リコビナントタンパク質を精製し2次スクリーニングを行っている。同様に、自己抗体の中枢神経内への移行だけでなく中枢神経内での自己抗体の産生の可能性も視野にいれ、髄液を用いての解析も行っている。実際に、神経細胞より抽出したタンパク質をSDS-PAGEで展開し、IgG値を補正した患者血清と髄液でウェスタンブロットを行った結果、髄液でより強い反応が認められる抗原タンパク質も存在した.次年度は、2次スクリーニングの結果最終的にエピトープを確定する予定である。
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