2008 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチにおけるアディポサイトカインの臨床的意義
Project/Area Number |
20591177
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
川合 眞一 Toho University, 医学部, 教授 (70129401)
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Keywords | rheumatoid arthritis / adipocytokine / adiponectin / synovial fibroblasts |
Research Abstract |
近年、脂肪組織は単なるエネルギー蓄積という機能のみならず、さまざまな生理活性物質を分泌するホルモン臓器として機能していることが明らかとなった。これらは一般に、アディポサイトカインあるいはアディポカインと呼ばれている。関節リウマチ(RA)は、自己免疫異常を背景とした原因不明の慢性炎症性疾患だが、その病態形成に関わる炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子α、インターロイキン(IL)-1、 IL-6などを標的とした生物学的製剤がRA患者で著効することが知られている。しかし、これらの最新治療にもかかわらず改善しない患者がなおも認められ、RAの全ての病態形成をこれらの炎症性サイトカインのみで説明することはできない。そこで申請者らは、アディポネクチン、レジスチン、レプチンなどのアディポサイトカインに注目し、倫理委員会の承認を得た実験計画でRA病態形成におけるこれらの意義を検討した。まず、 RA患者における血清アディポサイトカイン濃度を検討したところ、アディポネクチンおよびレプチン濃度が増加していた。次に、ヒト滑膜細胞に対するアディポサイトカインの作用をin vitroで検討した。まず、ヒト滑膜細胞のIL-8産生に及ぼす作用を検討したところ、生理的血中濃度のアディポネクチンには、特異的受容体を介したIL-8産生増加作用が認められた。しかし、レジスチンおよびレプチンの生理的血中濃度ではIL-8産生は変化しなかった(Kitahara K, et al. Biochem Biophys Res Commun2009;378:218-223)。現在、他疾患も含めた種々の炎症性疾患における血清アディポサイトカイン濃度や、滑膜細胞における炎症マーカーに及ぼすアディポサイトカインの影響を検討中であり、本年度以降に公表する予定である。
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Research Products
(13 results)