2009 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫疾患における可溶性CD1d分子による病態制御機構の解明
Project/Area Number |
20591182
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
後藤 大輔 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50344891)
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Keywords | 免疫学 / 臨床 / 自己免疫 / NKT細胞 / CD1d |
Research Abstract |
関節リウマチ患者におる研究(論文発表) 最も患者数の多い関節リウマチ(RA)を中心にデータの蓄積、解析を行った結果、以下の点が明らかとなった。 1、健常人と比較して、RA患者では血漿中の可溶性CD1d分子蛋白濃度が低下していた。 独自に作成した抗可溶性CD1dポリクローナル抗体と、市販の抗CD1dモノクローナル抗体を組み合わせた酵素抗体法にて、ヒト血漿中の可溶性CD1dを特異的に測定出来る新たなシステムを構築した。このシステムを用いて、52名のRA患者血漿を解析した結果、健常人と比較して、血漿中の可溶性CD1d蛋白濃度が有意に低下していることが明らかとなった。(P<0.001) 2、健常人と比較して、RA患者では末梢血中のNKT細胞数が減っていた。 上記、RA患者の52名の末梢血中のNKT細胞数を測定した結果、我々も以前に報告している通り、健常人と比較してRA患者では末梢血中のNKT細胞数が減少していた。(P<0.001) 3、血漿中の可溶性CD1d分子蛋白濃度と末梢血のNKT細胞数との間には、正の相関関係を認めた。 上記の血漿中の可溶性CD1d分子蛋白濃度と末梢血のNKT細胞数の相関関係を検証した結果、正の相関関係を認めた。(健常人40名も加えた、92名での結果。R^2=0.061) 4、可溶性CD1dを介した刺激により、NKT細胞からのIFN-γ分泌が誘導された。 最も良く知られているNKT細胞のT細胞受容体(TCR)のリガンドであるα-GalCerからの刺激が可溶性CD1dを介してどのような反応を示すか検討した。その結果、可溶性CD1dを介した刺激によりNKT細胞からのIL-4やIL-10は誘導されず、IFN-γ産生か誘導されることが確認された。 別記の通り、上記結果をまとめ、国際的な研究雑誌に掲載された。
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