2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトNKTサブセットのアジュバント効果を応用したTh17応答制御法の開発
Project/Area Number |
20591190
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
植村 靖史 Kansai Medical University, 医学部, 講師 (40364781)
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Keywords | NKT細胞 / 樹状細胞 / 自己免疫疾患 / 免疫制御 |
Research Abstract |
健常人末梢血単核球をα-GalCerにて複数回刺激することによってヒトVα24インバリアントNKT細胞株を樹立した。さらにVα24^+6B11^+CD4^+CD8β^-、(CD4^+サブセット)およびVα24^+6B11^+CD4^-CD8β^-(DNサブセット)の各サブセットを、高速自動セルソーターを用いて精製した。一方、CD14^+モノサイトを精製分離し、IL-4、GM-CSF存在下6日間培養することでモノサイト由来樹状細胞を誘導した。これにα-GalCerをパルスしてNKTサブセットと共培養した。CD4^+サブセットおよびDNサブセットは共にDCにおけるHLA-DR, CD40, CD80, CD83, CD86分子の発現上昇を誘導してDCの成熟を促進した。DNサブセットはDCに対して強力な細胞傷害性を示してDCの細胞死を誘導した。また、CD4^+サブセットと共培養したDCは、IL-12p40, IL-12p70の著しい産生上昇を示したが、DNサブセットと共培養したDCはこれらのサイトカインを産生しなかった。生存DCの細胞内IL-12p70, IL-10の評価では、CD4^+サブセットの影響により成熟分化したDCは、IL-12p70^+IL-10^+であり、DNサブセットの影響により成熟分化したDCは、IL-12p70^-IL-10^+であった。これらのDCとアロナイーブCD4^+T helper細胞を共培養して、T helper分化誘導能を評価したところ、CD4^+サブセットの影響により成熟分化したDCは、IFN-γ陽性細胞数の増加とIL-4陽性細胞数の減少を示すTh1分化を優位に促進し、DNサブセットの影響により成熟分化したDCは、IFN-γ陽性細胞数の減少とIL-4陽性細胞数の増加を示すTh2分化を優位に促進することが明らかになった。以上より、ヒトNKTサブセットは、DCに対して異なるアジュバント効果を示し、DCを介して免疫応答性を制御しうることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)