2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトNKTサブセットのアジュバント効果を応用したTh17応答制御法の開発
Project/Area Number |
20591190
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
植村 靖史 Kansai Medical University, 医学部, 講師 (40364781)
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Keywords | 免疫学 / 自己免疫疾患 / 癌 / NKT細胞 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
健常人末梢血単核球よりVα24 invariant NKT(iNKT)細胞を高速自動セルソーター使用して精製分離した。さらにCD4+CD8β-(CD4)およびCD4-CD8β-(double negative : DN)の2つのサブセットに分離し、それぞれの細胞株を樹立した。一方、末梢血単核球よりCD14モノサイトを磁気分離し、これにIL-4,GM-CSFを加えることにより、モノサイトDCを誘導した。モノサイトDCに、種々のToll様受容体アゴニストあるいは細菌を加え、IL-12/23産生を評価したところ、大腸菌と結核死菌を加えた場合にIL-23産生が誘導されることが明らかとなった。この条件に、iNKT細胞由来の液性因子を加えた解析により、iNKT細胞由来の液性因子は、DCにおけるIL-12産生を促進してIL-23産生を抑制することが明らかとなった。iNKT細胞の産生するTヘルパー(Th)サイトカインに対する中和抗体、およびリコンビナントサイトカインを用いた解析では、iNKT細胞由来のIFN-γ,IL-4,IL-13のそれぞれが相乗効果を示すことによりDCにおけるIL-12産生を増大させることが明らかとなった。一方、IL-4,IL-10,IL-13は、IFN-γによって誘導されるIL-23産生を著しく抑制することが明らかとなった。Th細胞共培養系においては、iNKT細胞を活性化することにより、メモリーTh細胞におけるIL-17産生が著しく抑制されることが明らかとなった。以上より、iNKT細胞はDCにおけるIL-12/23バランスを制御して、自己免疫疾患の成因に深く関与することが示唆されているTh17応答を抑制することが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)