2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591191
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
永田 真 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (20211443)
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Keywords | 重症喘息 / 好球 / 好酸球 / Th1 / TXB2 / IP-10 |
Research Abstract |
喘息の基礎病態である気道炎症のプロファイルに関連して、呼気凝縮液及びin vitroでの炎症細胞の組織浸潤・活性化実験システムを用いて、下記の知見を得た。 (1) 呼気凝縮液での検討:平成20年度に、好中球遊走因子であるCXCケモカイン(IL-8,GRO-α,ENA78)の中で、IL-8が重症喘息患者の喀痰上清で選択的に発現亢進していることを報告した。呼気凝縮液ではサイトカインやケモカインは測定できなかったが、TXB2やLTB4など脂質メディエータは検出できることを確認しており、本年度は重症度による発現の差異について検討した。重症喘息での呼気凝縮液では、TXB2の発現が亢進していた。またコントロール不良群においてTXB2及びLTB4の発現が亢進していた。従って、TXB2やLTB4は、重症喘息またはコントロール不良喘息における有用なマーカーとなる可能性がある。 (2) CXCR3 ligandsの好酸球に対する直接効果:重症喘息患者では、Th1サイトカインであるIFN-γの発現が亢進しており、Th1細胞の遊走因子であるCXCケモカインであるCXCR3 ligands(IP-10,MIG,I-TAC)の発現亢進も推測される。好酸球にはCXCR3が発現しており、IP-10などのCXCR3 ligandsは、好酸球を直接漕性化する可能性が考えられる。本年度はCXCR3 ligandsの好酸球に対する直接効果について検討した。CXCR3 ligandsは、好酸球のICAM-lcoating plateに対する接着反応を有意に亢進させ、またICAM-1存在下で活性酸素産生を有意に亢進させた。気道におけるIP-10などのCXCR3 ligands発現は、ステロイドで抑制されづらい事が知られており、この機序が重症喘息において好酸球性気道炎症が残存する一つの原因である可能性が考えられる。
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Research Products
(6 results)