2010 Fiscal Year Annual Research Report
CRYOPYRINを標的とした新しい炎症制御法の開発
Project/Area Number |
20591197
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Nagasaki Medical Center |
Principal Investigator |
右田 清志 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 長崎医療センター・臨床研究センター, 病因解析研究部長 (60264214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 大海 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), センター長 (80127969)
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Keywords | Cryopyrin / 自己炎症性疾患 / 家族性地中海熱 / 関節リウマチ / 血清アミロイドA蛋白 |
Research Abstract |
自己炎症性疾患は、自己抗体、自己反応性T細胞を認めず、反復する炎症を主徴とする疾患である。これら疾患はインフラマゾームを介したIL-1βの活性化が大きな役割を果たしている。インフラマゾームは、cryopyrin(NLRP3)がNODドメインを介し、重合化することにより活性化され、最終的に活性型のIL-1βが産生され、炎症が諾起される。 しかし、インフラマゾームの活性化機構は充分解明されていない。関節リウマチ(RA)滑膜細胞を用いインフラマゾームの活性化機構を検討した。その結果、NLRP3のリガンドと考えられているMSU(monosodium urate)でRA滑膜細胞を刺激しても、活性型IL-1βは産生されないが、血清アミロイドA蛋白の前処理により、活性型IL-1βが誘導されることを明らかにした。さらに、SAAはRA滑膜細胞のNLRP3の発現を誘導することより、SAAはNLRP3発現を介して、NLRP3のリガンドに対する反応を誘導することが示唆された。 これまでにインフラマゾームの活性化には、LPSなどの菌性成分の刺激によるTLRの活性化やATPによるP2X7受容体の活性化が、前段階で必要とされてきた。本研究結果により、低濃度のSAA(1~5μg/ml)により、NLRP3の発現が誘導され、インフラマゾームの活性化により活性型IL-1βが誘導できることが明らかになった。今回用いたSAAの濃度は、慢性炎症性疾患、ウイルス感染等で充分到達可能な濃度であり、生体は常にインフラマゾームが活性化される状態にあり、NLRP3のリガンド等により、活性型IL-1βが誘導され炎症が起こることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)