2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞壁構成成分を指標とした細菌・真菌感染症の病態解析と分子イメージングへの展開
Project/Area Number |
20591199
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
稲井 邦博 University of Fukui, 医学部, 助教 (30313745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
法木 左近 福井大学, 医学部, 准教授 (30228374)
井戸 達雄 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 客員教授 (80134063)
藤林 康久 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50165411)
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Keywords | 感染症診断 / 細菌・真菌感染 / 病態解析 / 分子イメージング / 病理学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、細菌・真菌感染症の病態を、それらの挙動を生体内で動的に捉えられる方法を駆使して解析するとともに、早期診断技術の構築に繋げることである。具体的には、細菌・真菌の細胞壁に特異的に集積するN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)等の細胞壁構成基質の放射性同位元素を用い、オートラジオグラフィーの手法を駆使してin vivoで病原体の挙動を同定し、病理学的手法で感染症病態を明らかにし、さらに、分子イメージングへの展開を図り、これらの基質を利用した体外診断法の確立を目指す。 そのため、平成20年度には、まず細菌・真菌、及び各種ヒトがん細胞株に^3H-GlcNAcを添加し、この標的物質が細菌・真菌の細胞壁内に特異的に集積する一方、ヒト細胞株にはほとんど取り込まれないことを確認した。次に、免疫抑制を行った後、細菌、真菌を感染させたマウス、ラットに^3H-GlcNAcを投与し2時間後に屠殺した動物の組織標本を作製し、標本上でオートラジオグラフィー解析を行い、^3H-GlcNAcをが細菌・真菌の細胞壁に特異的に集積することを病理学的に証明した。さらに、^<18>F-GlcNAcの合成に成功し、前述の方法で作成した感染動物にこれを投与し、positron emission tomography (PET)法で、長径1-2mmの感染巣の撮影に世界で初めて成功した。 また、これまでの一連の感染症研究に対し、ドイツ薬学会からEhrlich II,2^<nd> World Conference of Magic Bulletの場において招待講演の依頼を受けこれを行った。
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Research Products
(5 results)