2008 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリオファージの溶菌活性を利用する新規ピロリ菌除菌法の開発研究
Project/Area Number |
20591203
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
松崎 茂展 Kochi University, 教育研究部医療学系, 准教授 (00190439)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 啓晃 高知大学, 教育研究部医療学系, 講師 (90346560)
|
Keywords | ピロリ菌 / ファージ / 除菌法 |
Research Abstract |
ファージ検出のためのピロリ菌用培地の検討、および内在性ファージ誘発のための培養条件の検討を行なった。標準株および当医学部附属病院分離株の計9株のピロリ菌株を使用した。培地は10%ウマ血清添加プルセラ培地を基本とし、10%CO_2存在下、37℃で行なった。 (1)ピロリ菌9株は、寒天培地および液体培地の両方において、増殖の様相が菌株により著しく異なることが示された。9株中3株は増殖速度が早く、5株は遅く、1株はその中間の増殖速度を示した。 (2)ファージ検出に使用される寒天2重層培養法が、ピロリ菌において適用できるか否かを検討した。上層は、0.5%寒天(軟寒天)を含む10%ウマ血清添加ブルセラ培地を、使用時まで50℃に保温し液状で保存し使用した。下層の1.5%寒天(通常の寒天濃度)を含む培地に、十分増殖したピロリ菌の液体培養0.1〜O.3m1を滴下し,軟寒天培地4m1を直ちに注入し固形化した。2日間培養後、軟寒天培地中でのピロリ菌増殖の状況を観察すると、培地全体に菌がほぼ均一に増殖しており、ファージが存在する場合、そのプラークを十分検出できると考えられた。 (3)速育菌2株を使用し、マイトマイシンC(MMC)による内在性ファージ誘発のための培養条件を検討した。ピロリ菌を液体培地で対数増殖期後期まで培養し、1μg/ml MMCを添加後3時間培養を継続。この時間ほぼ正常に増殖することを確認した。その後、6,000×g、5分遠心し、ペレットを新鮮培地に再懸濁し、遠心することによりMMCを除去した。ペレットを新鮮培地に懸濁し培養を1夜継続した。MMC処理しないものに比し若干最終濁度が低下するものの、ピロリ菌は以上の一連の操作にも耐えることが分かった。 以上から、環境水中あるいは誘発試料中からピロリ菌ファージを分離ずるための方法を確立できたと考える。
|
Research Products
(11 results)