2008 Fiscal Year Annual Research Report
病理標本を利用した細菌感染症の今日的再考:細菌検査の死角を検証する
Project/Area Number |
20591210
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
塩竃 和也 Fujita Health University, 医学部, 助教 (10387699)
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Keywords | 細菌感染症 / 膿尿 / 免疫組織化学 / in situ hybridization |
Research Abstract |
臨床的に未発見、あるいは見逃されている一般細菌による細菌感染症の実態を、膿尿セルブロックを対象として組織化学的に証明するため、本年度は、遭遇頻度の高い一般細菌[大腸菌、腸球菌、MRSA、MSSA、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)、緑膿菌、クレブシエラ]にターゲットを絞り、免疫組織化学の検出条件の検討を行った。 市販の特異抗体を入手し、過去の研究過程で作製済みの細菌コロニー由来病理標本を用いて、病理標本上での使用条件(抗体濃度、前処理条件、増感法)を確立した。すなわち、前処理条件検討は、未処理、各種タンパク分解酵素処理(proteinase Kなど)、各種圧力鍋処理(クエン酸緩衝液・EDTA溶液)を並列に施行し、増感法は、酵素抗体法間接法、アミノ酸ポリマー法、超高感度増感法(Dako社製CSA II kit使用)から最適な方法を選択した。MRSAについては、mecA遺伝子産物であるpenicillin-binding protein2' (PBP2')をターゲットとして検出を行った。ほとんどの抗体に対する至適検出条件は確立できたが、大腸菌に関しては、他の菌種に対しても広く交差反応を示すため、in situ hybridization (ISH)法による検出にシフトチェンジする。現在、膿尿検体における各種抗体を用いた免疫染色が進行中であり、その染色結果と分離菌の臨床データを比較する。今後、プロテウス、サルモネラ、レジオネラ、エンテロバクター、セラチアなども追加して同様の検討を行う。また、細菌種(あるいは属)特異的な16Sまたは23S rRNAを標的としたLNA (locked nucleic acid)骨格の特異プローブを設計しており、受託合成後、ISH法の検討も継続して行う。
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Research Products
(2 results)