• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2008 Fiscal Year Annual Research Report

先天性下垂体形成不全の分子病態の解明

Research Project

Project/Area Number 20591213
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

田島 敏広  Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 講師 (50333597)

Keywords下垂体 / 無眼球症 / 転写因子
Research Abstract

この年度でわれわれは眼球発生、中枢神経系の発生に重要な転写因子OTX2異常により下垂体一視床下部の形成障害、中枢神経系の発生異常がヒトでおこることを報告した。その異常は2塩基の挿入であり、変異蛋白はin vitroの解析の結果、HESX1プロモーター、POU1F1プロモーターの活性化能が野生型に比較し低下していた。これらの所見は下垂体前葉ホルモン欠損を引き起こすひとつの要因と考えられた。したがって、複合型下垂体前葉ホルモン欠損症において新たな成因を同定するとともに、今後無眼球症の患者において下垂体機能不全が存在し、患者の健康・生活の質の低下をきたしている可能性があり、今後さらなる検討が必要である。
下垂体発生に重要な転写因子LHX4の新たな変異も同定した。今回の変異(V101A)はLIMドメインに存在した。臨床的にはLHX4異常では下垂体低形成、トルコ鞍の形成不全が特徴とされてきたが、今回のわれわれの症例ではトルコ鞍の形成不全を認めず、その表現型が一様ではないことを示した。現在われわれが同定したLHX4の二つの変異(P366TとV101A)についてin vitroでの機能解析を行い、核内に移行することが可能であること、しかしPOUF1のプロモーターの活性化能を失っていることを確認した。LHX4と相互作用をする因子の同定を行い、変異との関連についてさらに検討を進めてゆく。LHX4は最近下垂体前葉細胞に分化しうる幹細胞(side populationに属する細胞群)に発現が認められることが示されている。したがってこの研究を進めることにより、下垂体前葉細胞発生のメカニズムの解明につながることが期待される。

  • Research Products

    (3 results)

All 2008

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 複合型下垂体機能不全小児疾患診療のための病態生理2008

    • Author(s)
      田島敏広
    • Journal Title

      小児内科 40

      Pages: 661-666

  • [Presentation] 先天性下垂体疾患における新たな転写因子異常の展開2008

    • Author(s)
      田島敏広, 他
    • Organizer
      第42回日本小児内分泌学会学術集会
    • Place of Presentation
      米子コンベンションセンター
    • Year and Date
      2008-10-03
  • [Presentation] 下垂体形成異常におけるOTX2の役割2008

    • Author(s)
      田島敏広, 他
    • Organizer
      第81回日本内分泌学会学術総会
    • Place of Presentation
      ホテル青森
    • Year and Date
      2008-05-17

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi