2009 Fiscal Year Annual Research Report
先天代謝異常症の治療法選択を支援する13C呼気試験による酵素活性評価システム
Project/Area Number |
20591214
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
呉 繁夫 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10205221)
|
Keywords | 安定同位体 / 呼気試験 / アミノ酸代謝異常症 / 13C / 酵素活性測定 |
Research Abstract |
高グリシン血症の酵素診断を行う目的で、[1-^<13>C]グリシンを利用した呼気試験を開発した。欠損酵素であるGCSはグリシンの脱炭酸反応を含み、1[1-^<13>C]グリーシンを用い^<13>C呼気試験を行ったところ、患児における^<13>CO_2の排出は正常対照より極めて低値で、診断に有用である事を報告した(Kure S et al, Ann Neurol 59 : 862, 2006)。これらの経験から、安全かつ残存酵素活性の程度が評価できる^<13>C呼気試験を多くの先天代謝異常症の診断に導入し、予後診断や治療法選択に有用なシステムを作る事を目的とする。種々の遺伝性代謝病に対する^<13>C呼気試験の実施プロトコールを作成する。平成20年年度は、高グリシン血症とフェニルケトン尿症の呼気試験の条件検討をほぼ終了した。平成21年度は、高グリシン血症とフェニルケトン尿症の臨床試験を更に進める。安定同位体である^<13>Cで標識されたグリシン及びフェニルアラ人を正常人に投与し、呼気中の^<13>CO_2の濃度を赤外分光法で測定する。具体的には、1)^<13>C化合物の種類と投与量、2)呼気検体の採取時間と回数、3)呼気試験全体の実施時間(観察時間)、4)正常対照者における個人差の程度、などのパラメーターを少しずつ変えながら、プロトコールの作成を行った。その後、患者家族の協力を得て、プロトコールの有用性を検討する。 本研究は、東北大学医学部倫理委員会に承認されている(No.2003-041)。専用の説明文書を承諾書のフォームが既に作成済みで既に使用している。説明文書中には、(1)研究への協力は任意であること、(2)希望すればいつでも研究協力を中止できること、(3)呼気試験と遺伝子検査の具体的な検体の採取方法、(4)研究結果はその結果が誰のものか分からないようにして上で学術発表する可能性があること、を含んでいる。
|
Research Products
(4 results)