2008 Fiscal Year Annual Research Report
IGFBP-1遺伝子多型が身長発育およびインスリン感受性に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
20591216
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鴨田 知博 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研発科, 准教授 (50224704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮園 弥生 筑波大学, 大学院・人間總合科学研究科, 講師 (30400675)
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Keywords | 遺伝子 / 内科 / 臨床 |
Research Abstract |
1.対象:筑波大学附属病院小児科外来でフォローされている特発性低身長症児30名。 2.方法:早朝空腹時に採血し、血清を分離し測定まで凍結保存した。血中IGFBP-1、Total IGF-1、Free IGF-1を測定した。IGFBP-1遺伝子多型(A4403G)に関しては、Genomic DNAを用いてIGFBP-1遺伝子のエクソン4領域をPCR法で増幅した後、ダイレクトシークエンス法で塩基配列を決定した 3.結果:特発性低身長児30人のIGFBP-1遣伝子多型(A4403G)のgenotype別頻度はA/A:A/G:G/G=10(33%):15(50%):5(17%)で、Hardy-Weinberg平衡を満たしていた。3群間で年齢、性別、在胎週数、出生体重、出生体重SDスコア、検査時身長、身長SDスコア、体重、BMI、骨年齢、Total IGF-1、Free IGF-1、IGFBP-1に差は認められなかった。また、Aがホモまたはヘテロ(A/A+A/G群、25人).とGがホモ(G/G群5人)の2群間で比較検討しても各パラメータに差はなく、G/G群でFree IGF-1が低く、IGFBP-1が高い傾向が見られるもののTotal IGF-1を含め統計学的に有意差は認められなかった。 4.考案:特発性低身長の中にはIGFBP-1とIGF-Iとの結合能が増強している例が存在するのではないかという仮説のもとに本研究を行ったが、G/G型のgenotypeを有する低身長児でのFreeIGF-1値はA/A型やA/G型に比較して有意差は認あられず、IGFBP-1のIGF-1に対する結合能が増強しているという結果は得られなかった。さらに多数例での検討が必要と思われた。
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