2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591217
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡 明 The University of Tokyo, 医学部付属病院, 准教授 (00251273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 雅之 国立精神・神経センター, 神経研究所, 室長 (50243407)
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Keywords | 脳室周囲白質軟化症 / 脳性麻痺 / 発達障害 / 可塑性 / 絨毛羊膜炎 |
Research Abstract |
今日の脳性まひの原因として最も重要と考えられるのは、早産未熟児の脳障害の主要な原因である脳室周囲白質軟化症(PVL)である。我々はPVLの動物モデルを作成しその病態を検討した。脳室周囲白質軟化症にういては、感染の関与を支持するデータが得られていることから、大腸菌由来のリポ多糖を用いてラットにて繊毛羊膜炎モデルを作成し、中枢神経系の変化を検討した。投与後48時間後には、ラット大脳の白質に選択的に病変が認められた。病変部分には、早期をとはマクロファージの局所の浸潤が認められ、軽度の軸索の変性を伴っていた。時間経過とともに、ミクログリアの活性化の所見などが出現し、最終的には大脳自質に選択的なグリオーシスの所見が認められた。こうした病理変化は、超未熟児などの未熟脳におけるヒトの病理像に合致していた。また、この白質の変化は、比較由少量のリポ多糖でも十分に惹起されており、発達期の大脳白質が、炎症性の変化に非常に感受性が高いことが示され、ヒトのPVLの病態として感染炎症機転の重要性が示された。今回は、アストロサイトなどの修復に関する因子のみを検討したが、今後は軸索因子などの可塑性に関連した因子について検討するに際して、本モデルは非常に有用であると考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Mental retardation, spasticity, basal ganglia calcification, cerebral white matter lesions, multiple endocrine defects, telangiectasia and atrophic skin: A new syndrome?2008
Author(s)
Saito Y, Toyoshima M, Oka A, Zhuo L, Moriwaki SI, Yamamoto O, Kanzaki S, Hanaki KI, Ninomiya H, Nanba E, Kondo A, Maegaki Y, Ohno K.
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Journal Title
Brain and Development 30
Pages: 221-225
Peer Reviewed
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