2009 Fiscal Year Annual Research Report
タンデム質量分析新生児マススクリーニングの精度向上法開発と有用性の研究
Project/Area Number |
20591218
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
重松 陽介 University of Fukui, 医学部, 教授 (80162593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 郁江 福井大学, 医学部, 助教 (50251997)
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Keywords | 遺伝・先天異常学 / マススクリーニング / 分析科学 / 脂肪酸 / 有機酸 |
Research Abstract |
前年度に引き続き非誘導体化試料調製法によるタンデムマス・スクリーニングの精度を検討し,以下の成果を得た。(1)脂肪酸酸化異常症のスクリーニングでのアシルカルニチン濃度比の指標のカットオフ値は、CPT-2欠損症と共にMCAD欠損症など他の疾患の診断においても有用であった。また、確認検査として血清アシルカルニチン分析が必要であることも実証された。(2)カルニチントランスポータ異常症及び短鎖ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素欠損症のスクリーニングでは、遺伝子検査による診断が有用であった。(3)多くの対象疾患で、濾紙血による再採血検査を経ないで直接精密検査とする必要性が指摘され、そのためのスクリーニング指標の基準値を暫定的に設定することが出来た。 前年度から開発を進めてきた二次検査法のうち、GC/MS法による濾紙血中メチルマロン酸濃度測定は、特に重症型のメチルマロン酸血症患者の早期診断と早期治療の観点から極めて有用であることが明らかとなった。またプロピオン酸血症のスクリーニング指標のカットオフ値の改訂を組み合わせることにより、メチルマロン酸血症とプロピオン酸血症の重症度を考慮したスクリーニングが可能となることが示唆され、今後の検討課題となった。 イソ吉草酸血症スクリーニングの二次検査法であるMS/MS濾紙血中イソバレリルグリシン総度測定により、本症のスクリーニング指標値の過小評価がカルニチン欠乏によっておこることが明らかとなり、適切な重症度評価と迅速な治療を行う上での有用性を示すことが出来た。 脂肪酸酸化異常症に対する簡便な直接精密検査として末梢リンパ球を用いた脂肪酸酸化能検査法が有用であるかどうか,既診断患者において検討したところ,軽症型患者においても診断が可能であった。スクリーニングで陽性となった新生児に順次適用することでさらに診断精度の確認を行い、今後さらに実用検査として開発を進めることとなった。
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[Journal Article] Sustaining hypercitrullinemia, hypercholesterolemia and augmented oxidative stress in Japanese children with aspartate/glutamate carrier isoform 2-citrin-deficiency even during the silent period2009
Author(s)
Nagasaka H, Okano Y, Tsukahara H, Shigematsu Y, Momoi T, Yorifuji J, Miida T, Ohura T, Kobayashi K, Saheki T, Hirano K, Takayanagi M, Yorifuji T
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Journal Title
Mol Genet Metab 97
Pages: 21-26
Peer Reviewed
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[Journal Article] 短鎖3-ヒドロキシアシル-CoA脱水素酵素欠損症と遺伝子診断した1例2009
Author(s)
七條光市, 梅本多喜子, 杉本真弓, 松浦里, 東田栄子, 渡邉力, 中津忠則, 吉田哲也, 内藤悦郎, 重松陽介, 平岡政弘
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Journal Title
日本マス・スクリーニング学会誌 113
Pages: 1705-1710
Peer Reviewed
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