2010 Fiscal Year Annual Research Report
小児期メタボリック症候群の肝・膵幹細胞におけるカルシウムシグナルの役割
Project/Area Number |
20591226
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中村 公俊 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (30336234)
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Keywords | メタボリックシンドローム / カルシウムシグナル / トランスジェニックマウス / 内胚葉系幹細胞 / 肝細胞 |
Research Abstract |
メタボリックシンドロームは、肥満、高脂血症、高血圧や糖尿病などの合併によって起こる動脈硬化のハイリスク群である。calreticulinは肝細胞、膵臓β細胞、脂肪細胞などにおいて、糖、脂質代謝の調節に関与している。本研究では、時間、組織特異的caheticulinの過剰発現をtamoxifenにより誘導可能なトランスジェニックマウスを作成した。そして、マウス肝細胞、膵内分泌細胞へと分化する幹細胞の分離、分化誘導法を用いて、calreticulin欠損マウスと、時間、組織特異的calreticulinの過剰発現マウスから内胚葉系幹細胞を確立し、そのカルシウムシグナルにおける機能の解析を行った。そしてメタボリックシンドロームの発症のメカニズムを、遺伝子発現やタンパク質の機能の調節に重要なカルシウムシグナルの観点から解析した。そのために、caheticulinの発現レベルを肝細胞、膵臓β細胞、脂肪細胞のそれぞれにおいて調節できるトランスジェニックマウスを用いて、肝細胞特異的にcre recombinaseを発現するマウスと交配し、ウエスタンブロット法、RT-PCR法を用いることにより、肝細胞におけるcalreticulinの発現量を野生型と比較した。このトランスジェニックマウスにおいて、肝臓、膵β細胞、脂肪細胞における糖、脂質代謝について解析した。また、Calreticulin欠損マウスは、脂肪組織の発生が障害されるとともに、糖、脂質代謝異常をおこすことが示唆されている。そこで、calreticulin過剰発現マウスにおける糖の産生、貯蔵やインスリンの産生、分泌、脂質の肝臓への取り込みや分解、アディポサイトカインの産生などについて解析した。
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Research Products
(11 results)