2008 Fiscal Year Annual Research Report
若年発症I型糖尿病に対する再生膵島移植ーティッシュエンジニアリングの利用
Project/Area Number |
20591227
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
山下 方俊 Fukushima Medical University, 医学部, 助教 (20381387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊勢 一哉 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (90363746)
松山 真一 福島県立医科大学, 医学部, 研究員 (90381384)
佐藤 佳宏 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (60347218)
後藤 満一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50162160)
石井 証 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40468129)
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Keywords | I型糖尿病 / 再生膵島 |
Research Abstract |
【はじめに】膵島移植は、レシピエントの門脈内へ膵島を注入することで、肝内門脈の末梢域に膵島を移植している。しかし、生着する膵島は約40%と報告されており、大幅に膵島を失うこととなる。その原因として、血中に注入された膵島に対する血小板凝集反応や、肝内門脈末梢域の虚血性変化による、移植膵島に対する炎症反応が挙げられる。故に近年、それらの反応を回避するべく、肝外への移植についての報告が次々と報告されている。今回我々は細胞シート工学を用いた全く新しい膵島移植を考案した。 【方法】膵島を温度応答性培養皿上で培養した。次に細胞の接着を目指しlaminin-5を温度応答性培養皿上にcoatingし、その上で培養し観察した。 【結果】初期の段階では膵島はdishに接着せず、重力により、dish上に接しているだけであった。 laminin-5をcoatingした培養では、殆どすべての細胞がdish上に接着し、広がり、培養2日後にはほぼconfluencyの状態となった。さらに低温処理することで、トリプシン処理することなく、自然に剥離できた。また、支持膜上の膵島細胞は、組織学的所見でもシート状に再構築した状態として確認された。 【考察】温度応答性培養皿を用いた細胞シート工学を膵島移植へ応用し、移植可能な機能的膵島細胞シートの構築を成功した。藤島移植における新しい手技であると共に、本研究を更に発展させることにより、ES細胞やiPS細胞など、様々な細胞ソースから得られる膵島細胞を用いて、効率的な膵島移植を行うことも可能になると考えられた。
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