2010 Fiscal Year Annual Research Report
若年発症I型糖尿病に対する再生膵島移植ーティッシュエンジニアリングの利用
Project/Area Number |
20591227
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
山下 方俊 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20381387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊勢 一哉 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90363746)
佐藤 佳宏 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (60347218)
後藤 満一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50162160)
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Keywords | 型糖尿病 / 膵島移植 / 膵島再生 / 細胞シート / ティッシュエンジニアリング |
Research Abstract |
【はじめに】最近の成人膵島移植の成績から、移植膵島数の不足、免疫抑制剤の効果の限界が明らかになっている。免疫寛容が獲得できれば、小児だからこそその適応となる事は必須であると考え、膵島細胞シートの移植条件を設定し、小児における膵島移植の臨床応用への道を探った。 【方法】Lewisラットの分離膵島をトリプシン処理にて単離し、Laminin-5薄層コートした温度応答性培養皿にて接着培養を行った。培養2日目に培養温度を20℃に変化させることにより、膵島細胞をシートとして回収した。ストレプトゾトシンで糖尿病を誘発(血糖値400mg/dl以上)したI型糖尿病モデルSCIDマウスへ、作成した細胞シートを皮下に移植した。血糖値200mg/dl以下を正常(生着)とし、移植後定期的に血糖測定を行い、生着期間について検討した。移植部を摘出し、免疫染色にて組織学的評価を行った。 【結果】膵島細胞シートの皮下移植により糖尿病マウスの血糖値は正常化した。また、ブドウ糖負荷試験において、正常マウスと同等の血糖値の経時的変化を示した。組織学的解析において、皮下に機能的膵島組織が形成されていることを確認した。 【考察】膵島細胞から成る単層細胞シートの作製技術を開発し、皮下移植により血糖の正常化を得ることに成功した。皮下への膵島組織作製は、膵島移植における新しい手技であると共に、本研究を更に発展させることにより、ES細胞やiPS細胞など、様々な細胞ソースから得られる膵島細胞を用いて、効率的な膵島移植を行うことも可能になると考えられる。
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