2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス感染に伴う脳症発症時に起こる血液脳関門破綻のメカニズムの解明
Project/Area Number |
20591228
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
浅井 清文 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (70212462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 峰芳 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (70363918)
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Keywords | 急性脳症 / 血液脳関門 / アストロサイト / 血管内皮細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
申請者らは、血液脳関門を形成する脳毛細血管内皮細胞およびアストロサイトを安定して供給するために、これら細胞の初代培養細胞に遺伝子導入し、長期培養可能な細胞株を得ることを試みた。初めに、マウスの脳から脳毛細血管内皮細胞を初代培養し、SV40T抗原またはERas cDNAを含むベクターを遺伝子導入し、抗生剤(Zeocin,Hygromycin)にてセレクションを行い、3つのクローンを得た。このうち、脳血管内皮細胞に細胞形態がよく似ているSV40T抗原を導入した細胞株を用いて、血管内皮細胞の特異的マーカーの発現について検索を試みたところ、RT-PCR法にて、GLUT1、mdrla、AQP1の発現を確認した。また、免疫細胞染色にて、PECAM-1(CD31)の発現も確認した。一方、アストロサイトに関しては、ラット胎児(E18)の大脳皮質から初代培養し、脳毛細血管内皮細胞と同様に、SV40T抗原またはERas cDNAを含むベクターを遺伝子導入し、抗生剤にてセレクションを行い、10個のクローンを得た。現在、アストロサイト特異的マーカーの発現について検索を行っている。 一方、血液脳関門機能に関係すると思われるNOの産生について、ラット胎児(E18)の大脳皮質から初代培養したアストロサイトに、各種炎症性サイトカインを作用させ検討を行った。IL-1β、IFN-γ、TNF-αの3者の刺激があった場合に、iNOSの発現が強力に誘導され、細胞培養液中のNOxも上昇することが判明した。今後、NOの産生が、血液脳関門機能にどのような影響を与えるか、検討を行う予定である。
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