2009 Fiscal Year Annual Research Report
レンチウイルスベクターシステムによるクラッベ病遺伝子治療
Project/Area Number |
20591233
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小林 博司 Jikei University School of Medicine, 医学部, 講師 (90266619)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 高広 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (00307430)
|
Keywords | レンチウイルス / クラッベ病 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
本研究では中枢神経系をはじめとする多臓器に病変を呈し、遺伝性酵素欠損症の一つであるライソゾーム蓄積症の中でも出生早期に発症し急激な脱髄による進行性神経症候を呈するGloboid cell Leukodystrophy(GLD, Krabbe disease)を研究対象としている。この疾患ではライソゾームに存在する酵素Galactocerebrosidase(GALC)の遺伝的欠損により様々な細胞にその基質が蓄積し、神経系を含む細胞機能障害を引き起こす。我々は欠損酵素(GALC)を発現する遺伝子を組込み、更に病原性副蛋白発現遺伝子を除去した第二世代レンチウイルスベクター(SMPUR-MCU3=GALC-IE)を開発し、既にいろいろな細胞株での用量依存性かつ有意な発現を確認している。今年度はIn vivoの実験を中心に行ない、モデルマウス新生児期(日令1-2)を対象に欠損酵素を組込んだレンチウイルスベクターを静脈注射し、一定の時期における各臓器での酵素(GALC)活性、および病理学的な改善度、DNAコピーナンバー(biodistribution)を中心に検討し、遺伝子治療後1週間で肝臓において正常の10.4%の酵素活性が得られている。更に有意な延命効果が得られているかをKaplan-Meyer法などを用いて検討した結果(n=6)、治療群での坐骨神経での病理改善、および4週令での有意な体重増加(p=0.008)、生存期間延長(p=0.03)が見られた。
|