2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトES細胞から免疫細胞への分化系を用いた乳児アレルギー疾患発症機構に関する研究
Project/Area Number |
20591244
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬 峰 東京大学, 医科学研究所, 特任研究員 (20378748)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 浩一郎 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (50179991)
|
Keywords | 乳児アレルギー / 結合組織型肥満細胞 / 好酸球 / ES細胞 |
Research Abstract |
昨年度までの研究成果により、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)から、乳児アレルギー疾患の発症に関与すると考えられる結合組織型肥満細胞や好酸球への分化誘導法を開発した。本年度は、まずこれらの分化誘導法の誘導条件を至適化し、大量の結合組織型肥満細胞と好酸球の安定的確保が可能となった。そこで、ヒトES細胞から分化誘導された十分量の結合組織型肥満細胞と好酸球を用いて、これらのアレルギー関連細胞の機能を検討した。 1)ヒトES細胞由来結合組織型肥満細胞の機能の検討 compound 48/80、あるいはsubstance Pで刺激したところ、ヒトES細胞由来結合組織型肥満細胞は、刺激物質濃度依存的にヒスタミンを放出した。 2)ヒトES細胞由来好酸球の機能の検討 分泌型IgAで刺激したところ、ヒトES細胞由来好酸球は、健常人末梢血中の好酸球に匹敵する量のEDNを放出し、また、eotaxin、IL-5、fMLP刺激に対する遊走能を確認することができた。 以上の結果は、ヒトES細胞から十分な機能を有する結合組織型肥満細胞や好酸球が分化誘導されたことを示している。したがって、ヒトES細胞からこれらの結合組織型肥満細胞や好酸球を分化誘導する過程は、胎生期の結合組織型肥満細胞や好酸球の発生・分化・成熟過程を再現していると考えられ、これらの過程を解析することにより、乳児アレルギーの発症メカニズムが解明されることが期待される。
|
Research Products
(24 results)