2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591246
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
長澤 正之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (90262196)
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Keywords | IL-2 / Jnk / GVHD / MEKK2 / AP-1 / シクロスホリン / 活性化T細胞 / Jurkat細胞 |
Research Abstract |
GVHDの主体はアロ抗原刺激によるT細胞の増殖である。T細胞の増殖・生存に最も重要なサイトカインはIL-2であり、IL-2の転写はNFAT,AP-1,NFkBによって制御されている。活性化T細胞を抗原刺激するとJnk活性が非常に強く活性化されることが示された。AP-1転写活性はJnk活性化により制御されることをJurkat細胞で示した。活性化T細胞モデルであるJurkat細胞で解析したところMAKキナーゼ経路の最上位キナーゼの中でMEKK2がIL2の転写活性に重要であることが示された。また転写活性アッセイ法によりMEKK2はNFkB,AP-1活性化を制御していることが示された。MEKK2の変異細胞株による検討では、抗原刺激によるJnk活性化は抑制されているがUV-C刺激によるJnk活性化は抑制されず、抗原刺激経路特異的に関与していることが示された。シクロスポリン(CSP)がNFATおよびJnk活性を抑制することで免疫抑制活性を示すことが報告されているが、活性化T細胞ではCSP500ng/mlで完全にNFAT活性を抑制したが、Jnk活性はCSP1000ng/mlでも60-70%抑制に留まった。MEKK2の下位キナーゼであるMKK4とMKK7のAP1転写活性に与える影響を検討したところMKK4が影響している可能性が示唆されたため、休止期T細胞と活性化T細胞を比較したところ、活性化T細胞では無刺激状態でもMKK4がリン酸化していることが示された。休止期T細胞の抗原刺激によるJnk活性化にはMKK7が重要とされているが、活性化T細胞においてはMKK4の活性化が抗原刺激によるJnkの強い活性化に関与していることが示唆された。活性化T細胞では休止期T細胞とは異なった経路でIL2転写活性が制御されていることが示唆され、GVHD予防と治療については異なる戦略が必要であることが示された。
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