2009 Fiscal Year Annual Research Report
小児難治性悪性腫瘍に対する同種ナチュラルキラー細胞による抗腫瘍効果
Project/Area Number |
20591249
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
合井 久美子 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (70324192)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本名 浩子 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (50377537)
|
Keywords | 急性リンパ性白血病 / GVL効果 / NK細胞 / KIRリガンド / 臍帯血 |
Research Abstract |
本研究は急性リンパ性白血病(acute lymphoblastic leukemia : ALL)や神経芽腫などの難治性小児悪性腫瘍に対して、臍帯血移植を含む同種移植におけるkiller cell immunoglobulin-like receptors(KIR)リガンド不一致ドナーの有用性および機構を明らかにし、移植成績の向上をめざすものである。 前年度、末梢血、臍帯血ドナーNK細胞の難治性白血病の1つである11q23型急性リンパ性白血病細胞株に対する細胞傷害活性を51Cr releasing assay法により測定したところ、KIRリガンド不一致ドナーが一致ドナーと比較して、より傷害活性が高いことを確認した。平成21年度は他の細胞株についても検討したところ、T細胞型急性リンパ性白血病がNK活性化型受容体NKG2Dのリガンドの発現が高かった。さらに、末梢血、臍帯血NK細胞によるT細胞型急性リンパ性白血病に対する傷害活性は極めて強く、KIRリガンド不一致ドナーを選択することにより、その効果がより増強することを確認した。また、この傷害活性はドナーのNKG2Dのblockingにより著明に抑制され、NKG2Dを介しての細胞傷害活性が強いことが推定された。以上より臍帯血、成人末梢血と同様に、11q23転座型ALLに対してだけでなく、T細胞型白血病に対してもドナーNK細胞によるGVL効果が期待される。
|
Research Products
(1 results)