2009 Fiscal Year Annual Research Report
小児難治性急性骨髄性白血病に対するアロ反応性NK細胞による抗腫瘍メカニズムの解明
Project/Area Number |
20591252
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高橋 義行 Nagoya University, 医学部附属病院, 講師 (40432273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 勢二 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20313992)
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Keywords | NK細胞 / 白血病 / Killer immunoglobulin like receptor / Graft versus leukemia effects |
Research Abstract |
近年、白血病に対する血液幹細胞移植の分野での大きな進歩の一つに、アロ反応性NK細胞のドナー選択法の改善があげられる。患者とKIRリガンド不一致のドナーを選ぶことによりアロ反応性NK細胞が、Graft versus leukemia(GVL)効果を起こし、そのようなドナーを選ばない場合と比べて有意に再発率が減少し、生存率が向上する。このアロ反応性NK細胞のGVL効果を解明することは、さらに臨床応用可能な治療法をもたらすことが可能性が高い。我々は、KIRリガンド不一致造血細胞移植後の患者末梢血単核球より磁気ビーズ法を用いてNK細胞を分離し、移植前の患者由来PHAブラストとドナー由来PHAブラストの傷害活性の差を検討し、移植後のドナー体内に存在するドナー由来NK細胞が、患者由来血液細胞を傷害することを確認した。移植後に経時的に傷害活性を調べると移植後1年の経過でしだいにアロ反応性NK細胞の障害活性が減少していくことが判明した。またアロ反応性NK細胞活性を示すsingle KIR陽性NK細胞の数を同定することが樹立でき、より簡便にアロ反応性NK細胞のモニタリングが可能となった。さらに、St.Jude Childeren's hospitalのDr.Campanaのグループとの共同研究により、臨床応用可能なGMPグレードでNK細胞を効率よく培養増幅可能なmodified K562細胞を供与され、現在培養NK細胞輸注法の開発を行っている。すでにアメリカではこの細胞はFDAにapproveされており、実際にハイリスク白血病患者に培養NK細胞輸注を組み込んだ治療研究が行われている。我々は現在アロ反応性NK細胞を利用した新規治療法の開発を進めている。
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Research Products
(6 results)