2010 Fiscal Year Annual Research Report
小児難治性急性骨髄性白血病に対するアロ反応性NK細胞による抗腫瘍メカニズムの解明
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20591252
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高橋 義行 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40432273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 勢二 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20313992)
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Keywords | NK細胞 / 白血病 / Killer immunoglobulin like receptor / Graft versus leukemia effects |
Research Abstract |
治療抵抗性白血病患者に対してHLAハプロ一致移植後に再発した白血病細胞に患者・ドナー間不一致HLAが欠失する場合があり、6番染色体短腕におけるuniparental disomyがそのメカニズムであることを解明し、学会および論文報告した(Villalobos et al. Blood 2010)。これは不一致HLAに対する傷害性T細胞(CTL)による強いGVL効果から白血病細胞がHLAを失うことでエスケープすることを示唆ずる。HLAがNK細胞抑制性KIR受容体のリガンドそのものであるため、ハプロ一致移植における患者・ドナー間不一致HLAモニタリングの有用性ついて検討した。2004年1月から2010年3月までに非寛解期にHLAハプロ一致移植を行った8例の白血病患者に対し患者・ドナー間不一致HLAに対する抗体(Onelambda社)を利用したフローサイトメトリー法により移植後微小残存腫瘍(MRD)の検出を行った。8例中6例でリネージごとにキメリズム解析が可能で、少なくとも10^4個に1個のMRD検出が解析可能であった。さらに顕微鏡的に寛解状態でありながら移植後30日を越えてMRDが検出されながら、次第にMRDが消失していく経過を2例で観察できた。不一致HLAのモニタリングはギメリズムだけでなくGVL効果のモニタリングに有用であることが示唆された。不一致HLAロスを生じた白血病患者2例において、ドナーNK細胞による傷害活性が初診時白血病細胞と比べてロスした白血病細胞で有意に高かった。うち1例でHLAロス後の白血病細胞においてNK細胞の活性化受容体リガンドであるULBP-2の発現が増加していた。HLA不一致移植後のGVL効果においてドナーCTLとNK細胞が相補的に働いている重要な知見が得られ、移植後の維持療法にNK細胞輸注療法を組み合わせる治療戦略の根拠となるものと考えられた。
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Research Products
(10 results)