2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591262
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
矢部 みはる Tokai University, 医学部, 准教授 (40172514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢部 普正 東海大学, 医学部, 准教授 (70220217)
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Keywords | 先天性骨髄不全症候群 / 造血幹細胞移植 / 染色体脆弱性 / 骨髄異形成症候群 / 白血病 / Fanconi貧血 / 身体奇形 |
Research Abstract |
1986年から2008年12月までに東海大学で末梢血リンパ球のDNA架橋剤による染色体脆弱試験を施行した163例の解析を試みた。一部の症例ではFAの診断確定のためFANCD2のモノユビキチン化の解析とFanconi anemia(FA)遺伝子の同定を行った。 結果として、1)77例がFAと診断された。5例は身体異常を全く伴わず、14例は低身長か色素沈着のみで外表・内蔵奇形の合併はみられなかった。23例が白血化を伴い、61例に造血幹細胞移植が行われ、うち50例が生存中である。2)非FAと診断された86例中身体異常を伴わない症例は56例であった。再生不良性貧血38例、MDS/白血病13例、他5例であった。43例に造血幹細胞移植が行われ、うち36例が生存している。3)FA以外で身体異常を合併した症例は30例みられ、うち13例がMDS/白血病であった。18例に造血幹細胞移植が行われ、12例が生存中である。 これらの結果より、理学所見のみではFAと非FAの鑑別が困難な症例も多く、小児期に発症した骨髄機能不全症にはDNA架橋剤による染色体脆弱試験が必要と思われる。FAを含む身体異常を伴う骨髄機能不全症はMDS/白血病へ移行する可能性も高く、造血細胞移植の検討が必要である。
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