2009 Fiscal Year Annual Research Report
ダイアモンド・ブラックファン貧血のモデル動物作製と新規治療法(遺伝子治療)の開発
Project/Area Number |
20591265
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
三宅 弘一 Nippon Medical School, 医学部, 准教授 (90267211)
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Keywords | 貧血 / モデル動物 / RPS19 / 遺伝子治療 / siRNA |
Research Abstract |
ダイアモンド・ブラックファン貧血(DBA)の病因に関してはいまだ完全には解明されていないが、DBA患者の約25%においてリボゾーム蛋白S19(以下RPS19)の遺伝子異常が報告されており、我々はRPS19に対するsiRNAを用いて、正常骨随細胞やcell lineのDBAモデルの開発に成功しており、これらのモデル細胞の使用によりRPS19に異常を持つDBAに関しそのメカニズムの解析を行ってきた。 本研究では今までの研究結果を基にDBAのモデルマウスの作製と、その臨床応用を念頭に置いた新規治療法(遺伝子治療)の開発を目的としている。近年新たに他のリボゾーム蛋白(RPS17, RPS24など)の異常が報告されており、本年度はDBAのモデルマウスの作製の為の薬剤(テトラサイクリン)誘導性レンチウイルスベクターの作製を行った。RPS17またはRPS24siRNA及びGFPが発現するテトラサイクリン誘導性レンチウイルスベクターにKRAB遺伝子を組み込んだシングルベクターを作製した。このシングルベクタープラスミドにてレンチウイルスベクターを作製し、細胞株に遺伝子導入し、テトラサイクリンによる誘導性、siRNAの効果を検討したところ、テトラサイクリンの濃度に依存してRPS17またはRPS24の発現抑制効果を認めた。今後このレンチウイルスベクターを用いてマウスモデルの作製を行っていくと共に、RPS17, RPS24などの他のリボゾーム蛋白の異常によるモデル作製を行っていく。新規治療法(遺伝子治療)においては現在の造血幹細胞を標的とした遺伝子治療の問題点として、遺伝子導入細胞の生着率が低くgrowth advantageを持たない細胞では治療効果が得にくいことがあげられる。本研究ではこの問題点を解決すべく、造血幹細胞の自己複製を促進させ増幅させる因子であるHomeobox transcriptional factor B4 (HOXB4)を発現させ、遺伝子導入された造血幹細胞が増幅するような独創的なシステムの開発を試みており、現在そのレンチウイルスベクター、アデノウイルスベクターを作成中である。
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Research Products
(11 results)