2009 Fiscal Year Annual Research Report
脂質メディエーター遺伝子改変マウスを用いたウイルス感染喘息の増悪と発症の機序解明
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20591267
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Research Institution | Gunma Institute of Public Health and Environmental Sciences |
Principal Investigator |
加藤 政彦 Gunma Institute of Public Health and Environmental Sciences, 研究企画係, 研究員 (30292593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 佳之 群馬県衛生環境研究所, 研究企画係, 研究員 (80309252)
林 泰秀 群馬県衛生環境研究所, 研究企画係, 研究員 (30238133)
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Keywords | 気管支喘息 / ウイルス感染 / 好酸球 / 脂質メディエーター / 遺伝子 |
Research Abstract |
Respiratory syncytial(RS)やライノウイルスなどの呼吸器ウイルス感染は、気管支喘息(喘息)の発症と増悪の双方に関わっている。また、この病態には、慢性の好酸球性気道炎症が関与することが示唆されている。しかしながら、これらの機序の詳細は、依然不明である。そこで本研究は、RSウイルス感染させた喘息モデルマウスを用いて、好酸球性気道炎症やサイトカイン産生などを検討することにより、RSウイルス感染により引き起こされる喘息の発症および増悪にどのような因子が鍵となるのかを明らかにし、新たな喘息治療に寄与することを目的とする。今年度は、昨年度確立できたマウスの喘息モデルを用いて、RSウイルス感染により気道過敏性の亢進および好酸球性炎症が惹起されるか否かを検討した。方法は、マウスに卵白アルブミン(OVA)を腹腔に2週間隔にて反復感作させ(2.0mg/Kg)、さらに2週後、1%OVAを30分間(3日間)吸入暴露させた。同時にOVA吸入暴露の3日目にRSウイルス(10^5 TCID_<50>/25g body weight)を鼻腔より投与した。その3日後、各群(対照群、RSV投与群、OVA投与群、OVA/RSV投与群)のマウスを挿管し、人工呼吸器管理下で気道抵抗などの種々のパラメーターを測定することにより気道過敏性を検討した。また、マウスから肺胞洗浄液(BALF)を採取し、好酸球を含めた炎症性細胞の比率を検討した。その結果、対照群のマウスに比べてOVA投与群およびOVA/RSV投与群では、気道抵抗の有意な上昇およびBALF中の好酸球数の増加を認めた。さらに肺の組織学的な検討では、対照群に比べ、OVA投与群およびOVA/RSV投与群では、気道に明らかな好酸球浸潤を認めた。以上より、RSウイルス感染させた喘息マウスでは、気道過敏性の亢進と好酸球性炎症が惹起されることが明らかとなった。
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Research Products
(11 results)