2008 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的統合ゲノム解析による神経芽腫の病態関連遺伝子の探索
Project/Area Number |
20591269
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
大平 美紀 Chiba Cancer Center (Research Institute), 臨床ゲノムセンター・がんゲノム研究室, 室長 (20311384)
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Keywords | 神経芽腫 / マイクロアレイ / 遺伝子 / ゲノム |
Research Abstract |
代表的な小児がん、神経芽腫には、しばしば自然退縮を起こす予後良好タイプがある一方で、1歳以降に生じ、非常に予後不良な難治例も存在する(5年生存率:約30%)。本研究では、これまでに行ってきた神経芽腫の網羅的ゲノムコピー数異常解析と遺伝子発現解析のデータに、エピゲノム解析とマイクロRNA発現解析を組み合わせ、新規神経芽腫関連遺伝子の同定と析を行う。本年度は以下を進めた。 1)マイクロRNA発現解析 約500種類のマイクロRNAを搭載したmiRNAチップを用いて40症例(予後良好群、予後不良群各20例)の発現プロファイルを行い、両群間で発現レベルに差のあるプロブを検索した。同じ40症例について神経芽腫由来遺伝子を搭載した自家製遺伝子発現チップによる解析を行い、約5000遺伝子についての発現データを取得した。神経芽腫の予後に相関するmiRNAが発現調節する遺伝子の候補をTargetScanデータベースに対して検索し、発現レベルが相関する遺伝子群を発現チップデータより抽出した。上位遺伝子群にはMYCNなど神経芽腫予後に強く相関する遺伝子が上位に選択され、miRNAの発現が神経芽腫の予後に強く相関する重要な遺伝子群の発現調節を行っていることが改めて示された。今後は絞り込んだマイクロRNAについて定量PCRを行い、予後診断マーカーとして使用可能かどうかの検証と、新しい調節遺伝子の候補を絞り込む。 2)エピゲノム解析 神経芽腫細胞株12種類について5-aza-deoxycitidine処理によりDNAの脱メチル化を行い、RNAを調製ののち、未処理細胞のRNAとともに神経芽腫由来DNAチップを用いた発現解析を行った。脱メチル化処理前後の各遺伝子の発現レベルを比較し、有意差があるものを抽出した。細胞株のゲノムDNAを調製し、Bisulfate法による検証を開始した。今後メチル化による発現抑制が進行例に特異的に起こっている遺伝子を絞り込む。
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Research Products
(11 results)