2008 Fiscal Year Annual Research Report
アルポート症候群の分子病態の解明と新規治療法の開発に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
20591273
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小林 武弘 Niigata University, 医歯学系, 講師 (90311670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 聖 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80108050)
池住 洋平 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70361897)
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Keywords | アルポート症候群 / IV型コラーゲンα鎖 / ヘテロ三量体 / HSP47 / NC1ドメイン / コラーゲンドメイン / 変異 |
Research Abstract |
1、シャぺロン蛋白HSP47のIV型コラーゲンα3、α4、α5鎖におけるヘテロ三量体形成への関与について解析した。HSP47遺伝子を既に樹立してあるα345細胞(α3(IV),α4(IV),α5(IV)鎖を強発現するHEK293細胞)に導入した(α345-HSP47細胞)。α345細胞、α345-HSP47細胞でのHSP47の発現はそれぞれ線維芽細胞の10%、80%程度であった。それぞれの細胞におけるα3,α4,α5鎖複合体量は、細胞抽出液中、培養上清中で同程度であり、HEK293細胞ではHSP47の発現が低いが、このアッセイ系では複合体を形成する上で十分と考えられた。更には、HSP47のsiRNAを発現するプラスミドをα345細胞に導入しHSP47の発現を10%程度にまで減弱させた細胞株を樹立した。今後は、この細胞株でのα3,α4,α5鎖複合体形成の解析を行う。 2、培養液の組成、培養の時間などの条件を様々に設定し、α345細胞から分泌される三鎖複合体の量を解析した。細胞密度が80%程度の時に1mMアスコルビン酸を含む無血清培地に代え、その後48時間培養したときに得られる複合体量が最も多かった。 3、α5(IV)鎖コラーゲンドメインの変異のうち末期腎不全に若年で至る6種類、比較的遅く腎不全に陥る6種類、それらのいずれかを有する変異COL4A5cDNAを作成しα34細胞に導入した。今後は、これらの変異α5(IV)鎖のα3,4鎖との複合体形成能について解析し、臨床症状との相関について検討する。 4、腎症状の進展が緩徐で腎外症状を欠き、腎組織でもα3,4,5鎖が残存する家系において最近報告されたCOL4A5NC1ドメインでのC1638Y変異について解析した。この変異を有するα5鎖は、微量であるが三鎖複合体を形成し細胞外にも分泌していた。
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