2009 Fiscal Year Annual Research Report
小児の進行性腎疾患における活性酸素種(ROS)の役割解明とその治療応用
Project/Area Number |
20591278
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
香美 祥二 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00224337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 秀治 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (00380080)
六反 一仁 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10230898)
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Keywords | メサンギウム細胞 / ポドサイト / ボウマン襄上皮細胞 / 半月体 / 活性酸素 / NAD(P)Hオキシダーゼ / 腎炎進行 / 腎不全 |
Research Abstract |
腎不全に至る進行性腎疾患には、糸球体メサンギウム細胞(MC)の活性化(MC増殖と細胞外基質(ECM)の産生増加)、活性化ボウマン嚢上皮細胸(PEC)の上皮-間葉移行(EMT)による半月体形成などといった糸球体構成細胞の形質変化が共通して認められる。腎炎の進行を左右する細胞形質変化の制御機構における活性酸素種(ROS)の役割を明らかにするために、ラット腎炎モデルや培養細胞を用いて検討した。 1)ラット進行性糸球体病変におけるROSの役割の組織学的検討 片腎Thy1腎炎やWKYマスギ腎炎の糸球体を用いて検討したところ、MC増殖やPEC増殖部位に強いROS産生、Nox2発現、アンジオテンシンII(Ang II)産生、AngIIレセプター(AT1R)発現が認められ、それはメサンギウムECMリモデリングや半月体形成などの腎炎進行性の細胞反応に先行して観察された。 2)培養MCを用いたROSシグナル経路の検討 培養MCをAng IIやH202にて刺激して、ROSシグナル経路を検討したところ、容量、時間依存性にERK5のリン酸化亢進が観察された。ERK5のsiRNAによる検討では、Ros-ERK5シグナル経路はMCの生存能やECM産生能などの細胞形質を亢進するものであり、腎炎進行に関与する可能性がある。今後、ERK5シグナルの阻害剤の開発やNAD(P)Hオキシダーゼ(ROS産生系)特異的阻害剤を用いて、腎炎進行に関わる細胞反応の解明と薬剤による腎炎進展阻止法を検討する予定である。
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Research Products
(4 results)