2010 Fiscal Year Annual Research Report
新興病原菌としての腸管凝集性大腸菌の分子疫学研究とイムノクロマト迅速診断法の開発
Project/Area Number |
20591282
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西 順一郎 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40295241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 裕一 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 准教授 (90237884)
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Keywords | 腸管凝集性大腸菌 / EAEC / Aap / 下痢原性大腸菌 / バイオフィルム / 付着線毛 / 迅速診断 / 乳幼児 |
Research Abstract |
本研究では、腸管凝集性大腸菌(EAEC)の診断に用いる分子としてAapを対象に研究を進めているが、EAEC以外の非病原性大腸菌にも存在しているという報告もあるため、今回本邦の小児下痢症由来大腸菌におけるAapの保有状況を検討した。 【方法】当科に保存された小児下痢症患者由来の大腸菌で、typical EPEC 5株、atypical EPEC 66株、EHEC 12株、typical EAEC 76株、atypical EAEC 38株、さらに下痢原性大腸菌(DEC)の病原遺伝子(eae,bfp,lt,st,virF,ipaH,stx1,stx2,aggR)を保有しないnon-DEC 1947株の合計2144株を対象とした。Aap遺伝子aapはPCRで検出し、シークエンス後にアミノ酸配列を推定した。Aap分泌能は、培養上清中のAapをWestern blotで検討した。 【結果】aapは、typical EAECの81.6%(62/76)とnon-DECの0.36%(7/1947)に認められ、その他の株からは検出されなかった。Aapのアミノ酸配列は各株でよく保存されており、042のAapに対する相同性は、EAEC 25株で94.8-99.1、non-DEC 7株で85.3-95.7であった。Aapの推定アミノ酸配列に基づく系統樹解析では、O抗原型との相関がみられた。aap陽性のnon-DEC 7株中6株でAapの分泌が確認されたが、分泌量はEAEC臨床分離株に比較して少なかった。 【考察】本邦においても、EAEC以外にAapを保有する大腸菌が少数ではあるが存在することが明らかになった。non-DECにおけるaapの検出頻度は、Monteiro BTらの報告では52%(26/50)と高かったが、本研究では0.36%と低く、イムノクロマト法など蛋白レベルのEAEC検出法にAapを利用できると考えられた。
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[Journal Article] Environmental mutagens may be implicated in the emergence of drug-resistant microorganisms2010
Author(s)
Miyahara E, Nishie M, Takumi S, Miyanohara H, Nishi J, Yoshiie K, Oda H, Takeuchi M, Komatsu M, Aoyama K, Horiuchi M, Takeuchi T.
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Journal Title
FEMS Microbiol Lett.
Volume: 317(2)
Pages: 109-116
Peer Reviewed
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