2008 Fiscal Year Annual Research Report
腎糸球体の再生過程における糸球体内皮細胞の役割と再生促進因子の解明
Project/Area Number |
20591283
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
川崎 幸彦 Fukushima Medical University, 医学部, 准教授 (00305369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細矢 光亮 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80192318)
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50322342)
陶山 和秀 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (90423798)
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Keywords | 腎糸球体内皮細胞 / 再生 / リポポリザカライド |
Research Abstract |
【目的】糸球体内皮細胞障害からの再生機序を明らかにするため、糸球体内皮細胞障害を主体とした動物モデルを作成することを試みた。【対象と方法】4週齢のSwiss Albino雌マウスを3群に分け、1群にはプラセボを6時間間隔で2回投与し、2群には微量のLPS(0.1mg/kg)を単回投与、その後プラセボを投与し、3群には微量のLPS(0.1mg/kg)を6時間の間隔をあけて2回投与した。各群においてプラセボおよびLPS投与後、3,6,12,24時間、4,7,14,28日にマウスを屠殺し、腎摘と採血を行い、経時的な組織学的検討を蛍光抗体法と光学および電子顕微鏡にて観察した。【結果】1)2群と比較して3群において微量のLPS投与後早期に有意な内皮細胞の腫大、変性、脱落などの内皮細胞障害がみられ、ついで細胞分裂による再生像が認められた。2)メサンギウム細胞にも早期に変性、基質の浮腫、変性、融解、メサンギオリーシスを認め、その後増殖性変化が出現した。3))LPS投与後12時間から48時間にかけて係蹄腔内に一部血漿のうっ滞像やフィブリン沈着がみられた。4)LPS投与後1週間後より内皮細胞の再生像が認められ、この変化はLPS投与後14日をピークに28日まで認められた。【結論】4週齢のSwiss Albino雌マウスに微量のLPSを2回投与することで糸球体内皮細胞障害を主体とした動物モデルを作成することが可能であった。また、その後、内皮細胞の再生像が認められたことから本モデルは糸球体内皮細胞の再生像を解析するモデルにもなりうると考えられた。
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